アバヤ王子経[1](アバヤおうじきょう、: Abhayarājakumāra-sutta, アバヤラージャクマーラ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第58経。漢訳表現で『無畏王子経』(むいおうじきょう)とも[2]

釈迦が、ジャイナ教教祖ニガンタ・ナータプッタにけしかけられたアバヤ王子を諭し、仏教へと帰依させる様を描く。

構成 編集

登場人物 編集

場面設定 編集

ある時、釈迦は、マガダ国ラージャガハ王舎城)のカランダカニヴァーパに滞在していた。

そこにジャイナ教教祖ニガンタ・ナータプッタに、「人を害したことがあるかどうか」を問いつつ釈迦を論駁するようけしかけられたアバヤ王子が訪れ、釈迦に言葉で人を害したことがあるか問う。

釈迦は、一概には言えないと断りつつ、「それが事実であり、相手の利益となる」場合にのみ、相手が喜ぼうが嫌がろうがそれを語り、そうでない場合は語らないと述べる。

アバヤ王子は法悦し、三宝へと帰依した。

日本語訳 編集

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典2』(第10巻) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)中分五十経篇I』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典2』(第5巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典 編集

  1. ^ 『原始仏典』中村、『パーリ仏典』片山
  2. ^ 『南伝大蔵経』

関連項目 編集

外部リンク 編集