マガダ国
मगध महाजनपद
十六大国 ? - 紀元前345年 ナンダ朝
マガダ国の位置
マガダ国の版図
公用語 インド諸語
首都 パータリプトラ
xxxx年 - xxxx年 ブリハドラタ英語版
xxxx年 - xxxx年サハデーヴァ
xxxx年 - xxxx年ビンビサーラ
xxxx年 - xxxx年アジャータシャトル
xxxx年 - xxxx年ウダーイン
変遷
建国 ?
滅亡紀元前322年

マガダ国ヒンディー語:मगध、Magadha、紀元前413年 - 紀元前395年)は、古代インドにおける十六大国の一つ。ナンダ朝のもとでガンジス川流域の諸王国を平定し、マウリヤ朝のもとでインド初の統一帝国を築いた。王都はパータリプトラ(現パトナ)。

歴史編集

ガンジス川の下流域(現在のビハール州辺と北ベンガル)に位置した国。仏典上の摩訶陀国紀元前800年頃までにはこの地域にもアーリア系の住民が浸透していた。インドにおいてちょうど鉄器時代が始まった時期だったこともあり、当時インド最大の鉄鉱石の産地であり、かつガンジス川を介した水運と森林資源が存在したこの地方は急激に発達した。

マガダ地方は身分制度が緩い地域(言い換えれば無秩序)であったことが知られしばしばガンジス川上流域地方のバラモンなどの知識人達から身分制度の乱れを批判され軽蔑された。これはマガダ地方が当時のアーリア系住民にとっては新天地であり、伝統的なバラモン教の習慣や権威の影響力が小さかったことと関係すると考えられる。マガダは古いバラモン教系文献ではキーカタとも呼ばれている。マガダという名もバラモン教文献に早い時期から登場するが、どちらの名も強い軽蔑の念を込めて使われている。

マガダ国の起源についてはバラモン教系文献に伝説的な説話が残されている。クル族の大王ヴァスが5人の息子に領土を分割した時、長男ブリハドラタ英語版がマガダ国の統治者となった。プリハドラタが創設した王朝はブリハドラタ朝英語: Brihadratha dynasty)と呼ばれる。この王朝のジャラーサンダ英語版王やサハデーヴァ王等の王達はインドの二大叙事詩の1つといわれる『マハーバーラタ』の主要な登場人物である。

そして、この時期のマガダ王の中でも特に名の知られているのは釈迦にまつわる説話でも登場するビンビサーラ王やアジャータシャトル王であり、隣国アンガ国の征服などを通じてマガダ国の勢力が大きく拡大した。この頃の首都は、ラージャグリハ王舎城)であった。この都には竹林精舎があった。そして、近くには霊鷲山がある。ウダーイン王は首都をガンジス川沿いのパータリプトラ(華氏城)へ移転させた。後に、この街はマガダ国の首都として全インドの中心都市として栄えることになる。現在のビハール州の州都パトナである。

続いてシシュナーガ英語版王によってシシュナーガ朝が建てられたが、この王朝も仏教系の文献などで非常に重要視される。その後もマガダ国は周辺の大小の国々を次々と征服、従属させていき紀元前4世紀に成立したナンダ朝、そしてその後を受けたマウリヤ朝チャンドラグプタ(旃陀羅堀(掘)多)の孫アショーカ王(阿育王)の時代にはインド亜大陸のほぼ全域を支配するまでになった。その後、マウリヤ朝の将軍からシュンガ朝、そして、シュンガ朝の臣下からカーンヴァ朝とマガダ国は続いた。

紀元前のマガダ国は、南インドのデカン高原に拠点を持つサータヴァーハナ朝に滅ぼされた。

西暦紀元後の320年(グプタ紀元)にこのマガダ地方から、パータリプトラを首都とするチャンドラグプタ1世グプタ朝が誕生する。

マガダ国斑足王伝説編集

 
歌川国芳による斑足王と九尾の狐

昔、マカダ国の王は千の小国を征服して統一していた。ある日、群臣を連れて山中に分け入ったとき、獅子に出会った。家臣たちは逃げ出し、一人残った王は獅子と仮の契りを結び、獅子は妊娠した。生まれた子は足に斑点があったことから斑足と名付けられた。やがて成長し、父の跡を継いで王に即位した。斑足王は人肉が好物で、それを得るため非道残虐を繰り返したため、反発した千の小国の王たちにより山に追放された。山の鬼たちは斑足王を歓迎し、大王と敬った。斑足王は鬼を使って千の小国を攻め、捕らえた。最後に残った須陀須王は自ら王に会いに行き、「四無常の」(無常・苦・空・無我を説いた仏教の詩)を説いて聞かせた。斑足王は長い無明の夢から覚め、王たちを解放した。[1][2]

斑足王はインドの伝説の王Kalmāṣapāda(梵語)の訳[3]。この伝説を基にした創作物が多く作られた。曽我物語でも紹介され[4]太平記玉藻前物語にも登場し、絵本や歌舞伎などで人気を得た。

脚注編集

  1. ^ 暴惡斑足王『趣味仏教説話集〔第1〕』武田正義 編著 (鍵屋仏具店経本部, 1926)
  2. ^ 斑足王 『趣味と研究とに基ける仏様の戸籍調べ』醍醐恵端 著 (二松堂書店, 1918)
  3. ^ 斑足王コトバンク
  4. ^ 斑足王の事『曽我物語』大町桂月 校 (至誠堂, 1911)