アロイス・フォン・ベッカー=ウィドマンシュテッテン

オーストリアの科学者

アロイス・フォン・ベッカー=ウィドマンシュテッテン(Alois von Beckh Widmanstätten、1753年7月13日 - 1849年6月10日)は、オーストリア印刷業者、科学者である。Alois von Beckh-WidmannstattenAloys Beck, Edler von Widmannstattenとも表記される。

鉄隕石を硝酸でエッチングするとウィドマンシュテッテン構造が表れる。

経歴編集

若い頃、彼は父親に印刷技術の訓練を受けた。彼の家族はシュタイアーマルク州で独占的な出版権を持っていたが、1784年にこの権利は失われ、ベッカーは1807年に事業を手放した。1804年に、彼はポッテンドルフ紡績業の経営を始めた。

ウィドマンシュテッテン構造の発見編集

1808年、彼はフラスチナ隕石の厚板を火で炙ることで、現在ではウィドマンシュテッテン構造と呼ばれている鉄隕石の持つ構造を独自に発見した[1][2]。加熱中に異なる速度で酸化される異なる種類の隕石は、色や光沢が異なった。彼はこの発見を論文にしなかったが、口頭で伝わっていった。それにも関わらず、彼はこの発見についての名誉を独占し、ウィーン鉱物学動物学学会のカール・フランツ・リッター・フォン・シュライバースは、この構造をウィドマンシュテッテンにちなんで名付けた[3]

ウィドマンシュテッテン構造の本当の発見者はG.トムソンである事実は、ほとんど知られていない。G.トムソンは、ナポリにいた時代に、を落とす目的でクラスノヤルスク隕石硝酸に浸し、この構造を発見した。1804年、彼はフランス語Bibliotheque Britannique誌に論文を発表しており[3][4][5]、年代順に従えば、発見の全ての優先権はG.トムソンに与えられるべきであった[3][4][6]

命名編集

出典編集

  1. ^ Meteoritics & planetary science: Volume 42, Ed. 9-12. Meteoritical Society at the University of Arkansas, Department of Chemistry and Biochemistry, 2007
  2. ^ O. Richard Norton. Rocks from Space: Meteorites and Meteorite Hunters. Mountain Press Pub. (1998) ISBN 0-87842-373-7
  3. ^ a b c John G. Burke. Cosmic Debris: Meteorites in History. University of California Press, 1986. ISBN 0-520-05651-5
  4. ^ a b Gian Battista Vai, W. Glen E. Caldwell. The origins of geology in Italy. Geological Society of America, 2006, ISBN 0-8137-2411-2 [1]
  5. ^ F. A. Paneth. The discovery and earliest reproductions of the Widmanstatten figures. Geochimica et Cosmochimica Acta, 1960, 18, pp.176-182
  6. ^ O. Richard Norton. The Cambridge encyclopedia of meteorites. Cambridge, Cambridge University Press, 2002. ISBN 0-521-62143-7.