イエスタ・ベルリングの伝説
『イエスタ・ベルリングの伝説』または『イェスタ・ベルリングの伝説』(いえすた・べるりんぐのでんせつ)(原題:Gösta Berlings saga、英語: The Saga of Gösta Berling)は、1924年に制作されたマウリッツ・スティッレル監督によるモノクロ無声のスウェーデンの映画である[1]。 スウェーデン映画の第一次黄金時代の掉尾を飾った、第一部と第二部からなる合計3時間の大作である[2]。 日本では当時、公開されず、1983年にフィルムセンターで上映された[3]。
イエスタ・ベルリングの伝説 | |
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GOSTA BERLING SAGA | |
監督 | マウリッツ・スティッレル |
出演者 |
ラーシュ・ハンスン グレタ・ガルボ |
公開 |
第一部![]() 第二部 ![]() |
上映時間 |
86分(第一部) 80分(第二部) 183分(復古版) |
製作国 |
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言語 | 無声字幕 |
ストーリー
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キャスト
編集- イェスタ・ベルリング - 牧師を首になった家庭教師:ラーシュ・ハンスン
- メルタ・ドーナ伯爵夫人 - ボールィの館に住む貴族:エレン・セーダーストレーム
- エッバ・ドーナ - メルタの養女:モーナ・モルテンスン
- ヘンリック・ドーナ伯爵 - メルタの長男:トーシュテン・ハンマレン
- エリザベート - ヘンリック伯爵とイタリアで結婚した新婦:グレタ・ガルボ
- マルガリータ・サムセリウス(旧姓セルシング) - エケビの館に住む女主人:イェルダ・ルンドクヴィスト
- サムセリウス - マルガリータの夫:オットー・エールィ=ルンドベールィ
- マリアンネ・シンクレア - 裕福な地主の娘:イェニ・ハッセルクヴィスト
- メルヒオール・シンクレア - 裕福な地主、マリアンネの父:シンクステン・マルメルフェルト
- グスタフバ・シンクレア - マリアンネの母:カリン・スワンストロム
スタッフ
編集- 監督:マウリッツ・スティッレル
- 撮影:ユリウス・イェンゾン
製作・公開
編集スウェーデンが誇るノーベル文学賞受賞の女優作家セルマ・ラーゲルレーフが1891年に発表した同名の小説を映画化したものだが、1917年からスヴェンスク・フィルム・インドゥストゥリ社で、スティッレル監督の「吹雪の夜」、ヴィクトル・シェストレム監督の「霊魂の不滅」など一年に一作づつ続けられてきたラーゲルレーフ作品の映画化シリーズの最後の作品でもあり、グレタ・ガルボが本格的に映画界で注目されるようになった作品である。
19世紀初頭のスウェーデン南部のヴェルムランド地方が舞台で、この時代はナポレオン戦争が終わって間もない頃のことで、スウェーデンは国内に戦争に参加した大勢の退役軍人を国内に抱え込み、このエケビの館のように地方の大地主や富豪の居候のような形で養われ、彼らは無為の日々を送ることが多かった。本作はそんな世俗的な人たちの偽善者ぶりを痛烈に批判している。
主役のイェスタにふんしたラーシュ・ハンスンはスティッレル作品を中心に数多くの映画や舞台に出演している当時の人気俳優で、この作品の成功で国際的にも大きく注目されるようになった。 エケビの館の女主人を演じるイェルダ・ルンドクヴィストも輝かしい舞台経歴を誇る演技派女優である。またエリザベートに扮したグレタ・ガルボは、当時18歳で長編映画の二本目の映画であった。[2]