イタプア県

パラグアイの県
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イタプア県[1](イタプアけん、スペイン語: Departamento de Itapúa)は、パラグアイ南部の県。県都はエンカルナシオン。全国で最も多い30地区からなる。

イタプア県

Departamento de Itapúa
イタプア県の旗
イタプア県の紋章
紋章
南緯27度20分 西経55度53分 / 南緯27.333度 西経55.883度 / -27.333; -55.883
パラグアイの旗 パラグアイ
設置 1906年
県都 エンカルナシオン
政府
 • 知事 ダビド・ベンハミン・フランス・クレル (コロラド党)
面積
 • 合計 16,525 km2
人口
(2002年)
 • 合計 453,692人
 • 密度 27人/km2
等時帯 UTC-4 (大西洋標準時)
 • 夏時間 UTC-3 (大西洋夏時間)
ISO 3166コード PY-7
地区 30
ウェブサイト www.itapua.gov.py

県名は、グアラニー族の県都エンカルナシオンの呼び名に由来する。itá は岩もしくは石、Punta は先という意味で、「岩石の一角」となる。

地理 編集

パラグアイ東部地方の南東に位置する。北でアルト・パラナ県およびカアサパ県と、南でパラナ川対岸のアルゼンチンミシオネス州コリエンテス州と、東で同じくアルゼンチンのミシオネス州と、西でパラグアイのミシオネス県と隣接する。

気候は湿潤な準熱帯性だが気温は低めで、平均気温は15度、40度に達することもあれば-3度にまで下がることもある。年間降水量は1700ミリ近くで、7月と8月を除いて一年中観測される。

歴史 編集

ミシオネス県から分離した後、エンカルナシオン市を県都として設置された。それから30年間、移民の流入とカルロス・アントニオ・ロペス鉄道のおかげでおおむね高い経済成長を記録した。その後は衰退が続いたが、1950年代にエンカルナシオンのカーニバルが有名になると、各地から観光客が訪れるようになった。1980年代に入って工業化が加速したが、それでもセントラル県など、ほかの地方に比べて立ち遅れている。

1989年、ジャシレタダムの湛水がはじまった。1991年に開通したサン・ロケ・ゴンサレス・デ・サンタ・クルス橋は、単にエンカルナシオン市とポサーダスのみならず、パラグアイとアルゼンチンをつなぐ唯一の橋である。

人口統計 編集

2002年の国勢調査によると、イタプア県の総人口は45万3692人で、セントラル県とアルト・パラナ県についで全国で三番目に人口の多い県となっている。これは、パラグアイの総人口の8.9%を占める。

イタプア地方にはイタリア人、ドイツ人、ロシア人、ウクライナ人、フランス人、日本人、ポーランド人、さらに最近ではシリア人、レバノン人など、出自を異にするさまざまな移民団が入植してきた。この文化的多様性から「メルティング・ポット」の異名をとり、パラグアイで最もコスモポリタンな県とされている。入植間もない彼らはアルト・パラナやサン・ラファエル丘陵(現在国立公園となっている)で木材など天然資源の開発を主に行ったが、現在は事業をおこして成功した者もいる。また、農業(大豆、アブラギリ、トウモロコシ)や畜産に従事する者もいる。

行政区画 編集

イタプア県は下記の30地区に分けられる。

地区 人口(2002年) 地区 人口(2002年) 地区 人口(2002年)
1 アルト・ベラ 13,799 11 フラム 6,923 21 ヌエバ・アルボラーダ 9,193
2 ベリャ・ビスタ 9,193 12 ヘネラル・アルティガス 11,042 22 オブリガード 11,441
3 カンビレータ 9,193 13 ヘネラル・デルガード 6,611 23 ピラポ 6,754
4 カピタン・メサ 9,193 14 オエナウ 9,685 24 サン・コスメ・イ・ダミアン 7,322
5 カピタン・ミランダ 9,193 15 イタプア・ポティ 14,642 25 サン・フアン・デル・パラナ 7,091
6 カルロス・アントニオ・ロペス 17,622 16 ヘスス 5,560 26 サン・ペドロ・デル・パラナ 28,598
7 カルメン・デル・パラナ 9,193 17 ラパス 3,076 27 サン・ラファエル・デル・パラナ 20,434
8 コロネル・ボガード 17,065 18 レアンドロ・オビエド 4,353 28 トマス・ロメロ・ペレイラ 27,239
9 エデリラ 22,287 19 マジョール・オターニョ 12,157 29 トリニダード 6,873
10 エンカルナシオン 93,497 20 ナタリオ 19,456 30 ジャティタイ 11,415
 

出典・脚注 編集

  1. ^ イタプーア県とも。例えば、国際協力機構(JICA)での使用例あり。

関連項目 編集