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初代ソモンド伯爵・初代インチクィン男爵マロー・オブライエン

インチクィン男爵英語: Baron Inchiquin)は、アイルランド貴族男爵位。

マロー・オブライエン1543年に叙されたのに始まる。6代男爵マロー・オブライエン英語版の代の1654年インチクィン伯爵、10代男爵マロー・オブライエン英語版の代の1800年にソモンド侯爵に叙せられているが、両爵位とも1855年に廃絶。インチクィン男爵のみ初代男爵に遡っての分流に継承されて現存している。2016年現在の当主は18代男爵コナー・オブライエン英語版

目次

歴史編集

最後のソモンド王英語版であったマロー・オブライエン(-1551)は、イングランドのアイルランド支配に対抗するも結局ヘンリー8世に降伏し、1543年7月1日勅許状アイルランド貴族爵位ソモンド伯爵(Earl of Thomond)とインチクィン男爵(Baron of Inchiquin)に叙せられた。インチクィン男爵位は通常通り直系の男系男子に継承される爵位だが、ソモンド伯爵位はマローの甥ドノー・オブライエン英語版(前ソモンド王コナー・オブライエン英語版の息子)に継承される旨の特別継承権の規定が付けられていた[1][2]

この規定によりマローの長男ダーモッド・オブライエン英語版(-1557)は、2代インチクィン男爵位のみを継承した[2]

6代男爵マロー・オブライエン英語版(1618–1674)は、ピューリタン革命期にマンスターの王党派を指揮した[3]1654年10月21日にはアイルランド貴族爵位インチクィン伯爵(Earl of Inchiquin)とクレア州におけるバレンのオブライエン男爵(Baron O'Brien, of Burren in the County of Clare)に叙せられた[4][5]

2代伯ウィリアム・オブライエン英語版(1640–1692)は、1690年から1692年にかけてジャマイカ総督を務めた[4][6]

5代伯マロー・オブライエン英語版(1726–1808)は、襲爵前にアイルランド議会の、襲爵後はグレートブリテン議会の庶民院議員を務めた。彼は1800年12月29日に男子なき場合に兄弟への特別継承権を認めたアイルランド貴族爵位ソモンド侯爵(Marquess of Thomond)に叙せられた。さらに1801年10月2日には連合王国貴族爵位バッキンガム州におけるタプロウのソモンド男爵(Baron Thomond, of Taplow in the County of Buckingham)に叙せられたことで連合王国議会貴族院議員となったが、彼には男子がなかったためこのソモンド男爵位は彼一代で廃絶している[7][8]

初代ソモンド侯の死後、甥にあたるウィリアム・オブライエン英語版(1765–1846)が特別継承規定により2代ソモンド侯となる。彼はアイルランド貴族代表議員としてイギリス貴族院議員を務めた後、1826年7月3日に連合王国貴族爵位ヨーク州におけるタッドカスターのタッドカスター男爵(Baron Tadcaster, of Tadcaster in the County of York)に叙せられた。しかし彼にも男子はなかったのでタッドカスター男爵位は彼一代で絶えた[7][9]

2代ソモンド侯の死後、その弟であるジェイムズ・オブライエン英語版(1768–1855)が3代ソモンド侯を継承した。彼は海軍大将まで昇進した海軍軍人だった。子供はなく、彼の死去を以てインチクィン男爵位を除く全爵位(ソモンド侯・インチクィン伯・オブライエン男爵)が廃絶した[7][10]

インチクィン男爵位は初代男爵に遡っての分流である5代準男爵ルーシャス・オブライエン英語版(1800–1872)に継承された(13代男爵)[2][11]

13代男爵、14代男爵エドワード・オブライエン英語版(1839–1900)、15代男爵ルーシャス・オブライエン英語版(1864–1929)はアイルランド貴族代表議員として貴族院に議席を持った[2]

2017年現在の当主は18代インチクィン男爵コナー・オブライエン英語版(1943-)である[2][12]

邸宅はアイルランドクレア州にあるソモンド・ハウス(Thomond House)[2]

現当主の保有爵位・準男爵位編集

現在の当主18代インチクィン男爵コナー・オブライエン英語版は以下の爵位・準男爵位を保有している[2][12]

一覧編集

インチクィン男爵 (1543年)編集

インチクィン伯 (1654年)編集

ソモンド侯 (1800年)編集

(レメナの)準男爵 (1686年)編集

インチクィン男爵 (1543年)編集

系譜図編集

脚注編集

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出典編集

  1. ^ Lundy, Darryl. “Murrough O'Brien, 1st Earl of Thomond” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Heraldic Media Limited. “Inchiquin, Baron (I, 1543)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年2月18日閲覧。
  3. ^ ベケット 1972, p. 104/107.
  4. ^ a b Heraldic Media Limited. “Inchiquin, Earl of (I, 1654 - 1855)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年2月18日閲覧。
  5. ^ Lundy, Darryl. “Morrogh O'Brien, 1st Earl of Inchiquin” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “William O'Brien, 2nd Earl of Inchiquin” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  7. ^ a b c Heraldic Media Limited. “Thomond, Marquess of (I, 1800-1855)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年2月18日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “Murrough O'Brien, 1st Marquess of Thomond” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  9. ^ Lundy, Darryl. “William O'Brien, 2nd Marquess of Thomond” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  10. ^ Lundy, Darryl. “Admiral James O'Brien, 3rd Marquess of Thomond” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  11. ^ Lundy, Darryl. “Lucius O'Brien, 13th Baron of Inchiquin” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。
  12. ^ a b Lundy, Darryl. “Conor Myles John O'Brien, 18th Baron of Inchiquin” (英語). thepeerage.com. 2016年2月18日閲覧。

参考文献編集

  • ベケット, J.C『アイルランド史』藤森一明訳、八潮出版社、1972年。

関連項目編集