ウクライナ復興会議
ウクライナ復興会議(ウクライナふっこうかいぎ)は、戦後のウクライナ再建を目的とした一連の会議の名前である。
2022年の第1回会議は当初第5回ウクライナ改革会議として計画されていたが、ロシアのウクライナ侵攻により(会議の)焦点と名称が変更された[1][2]。
参加者
編集この会議には、ウクライナのデニス・シュミハリ首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(オンライン参加)を含む、世界中から数十人の高位の政治家が参加している[3][4]。
URC2022(2022年ウクライナ復興会議)
編集URC2022は、2022年7月4日から5日までスイスのルガーノで開催された2日間の国際会議であり、戦後のウクライナ復興に関するウクライナのロードマップを提示するとともに、ウクライナ再建のための計画について議論し、資金を調達することを目的としていた[5]。この会議はウクライナに対する「マーシャル・プラン」と呼ばれていた[6][7][8][9]。会議で演説したウクライナのシュミハリ首相によれば、ウクライナの復興計画に必要な金額は推計で7500億ドルにのぼるといい、主要な財源として、オリガルヒなどから接収したロシアの資産を挙げた[10][11]。
イギリスはウクライナ再建に向けた大規模な支援策を発表した[12]。
ウクライナに関するルガーノ宣言[13]には、アルバニア、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、デンマーク、エストニア、イスラエル、アイルランド、アイスランド、スペイン、イタリア、カナダ、キプロス、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、モルドバ、オランダ、ドイツ、ノルウェー、北マケドニア、ポーランド、ポルトガル、韓国、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、イギリス、アメリカ、トルコ、ウクライナ、ハンガリー、 フィンランド、フランス、クロアチア、日本の国家元首や政府首脳、閣僚、上級代表のほか、欧州評議会、欧州復興開発銀行、欧州委員会、欧州投資銀行、経済協力開発機構の高官や上級代表が署名した[14]。
声明
編集7月4日の演説で、ゼレンスキー大統領は一部のウクライナ人にウクライナに戻るよう求めた[15]。ロシアに関して、ゼレンスキーは、「ロシアの対ウクライナ戦争は我々の土地を奪い、国家機関を破壊し、我々の独立を破壊する試みであるだけではない。これは世界観の対立だ。ロシアで構築された反民主主義と反欧州の体制がおそらく我々全員よりも、ウクライナよりも、欧州よりも、そして民主主義世界よりも強いことを証明しようとしている」と述べた[16]。
スイス連邦のイニャツィオ・カシス大統領は演説の中で、「私たちを団結させているのは、この恐怖、荒廃、悲しみの時代において、ウクライナ人に自立した生活、平和、そして明るい未来に戻る見通しを与えたいという願いである。前途は長いが、銃声が静まるその時に備えるのに遅すぎるということはない」と述べた[17]。
2023年
編集2023年のウクライナ復興会議は、イギリスとの共同開催となった[18]。
2023年9月、ドイツは次回のウクライナ復興会議を2024年6月11日にベルリンで開催すると発表した[19]。
脚注
編集- ^ “Ukraine Recovery Conference (URC2022) in Lugano on 4–5 July 2022” (英語). www.eda.admin.ch. 2022年7月21日閲覧。
- ^ “Ukraine Recovery Conference – 4,5 July 2022 – Lugano, Switzerland”. www.urc2022.com. 2022年7月21日閲覧。
- ^ “Lugano Conference To Discuss Ukraine Reconstruction Process” (英語). RadioFreeEurope/RadioLiberty. オリジナルの2022年7月4日時点におけるアーカイブ。 2022年7月4日閲覧。
- ^ Armstrong (2022年7月3日). “Switzerland to host international conference on rebuilding Ukraine” (英語). euronews. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Ukraine recovery conference opens in Lugano, Switzerland - KyivPost - Ukraine's Global Voice”. KyivPost (2022年7月4日). 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Lugano Declaration to be adopted at conference on restoration of Ukraine – Swiss President” (英語). Interfax-Ukraine. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Lugano Conference To Discuss Ukraine Reconstruction Process” (英語). RadioFreeEurope/RadioLiberty. オリジナルの2022年7月4日時点におけるアーカイブ。 2022年7月4日閲覧。
- ^ “'Colossal' work ahead, as Ukraine recovery meet to open in Lugano” (英語). France 24 (2022年7月4日). 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Meeting to create road map for Ukraine reconstruction opens” (英語). www.aljazeera.com. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “ウクライナ復興へ「ルガーノ宣言」を採択、国際会議に40カ国が参加”. CNN.co.jp. 2024年3月2日閲覧。
- ^ “ウクライナの再建、民主主義世界の「共通課題」 ゼレンスキー氏”. CNN.co.jp. 2024年3月2日閲覧。
- ^ “Ukrainian forces withdraw from Lysychansk; Kyiv says Donbas battle not over” (英語). Washington Post. (2022年7月3日). オリジナルの2022年7月4日時点におけるアーカイブ。 2022年7月4日閲覧。
- ^ “Outcome Document of the Ukraine Recovery Conference URC2022: 'Lugano Declaration' (Lugano, 4–5 July, 2022) - Ukraine | ReliefWeb” (6 July 2022). 2024年3月2日閲覧。
- ^ Kyiv Post (6 July 2022). “42 countries sign final declaration of Lugano Ukraine Recovery conference” (英語). Kyiv Post 6 July 2022閲覧。
- ^ “Конференція в Лугано: Зеленський натякнув деяким представникам української делегації на необхідність повернення в Україну” (ウクライナ語). nv.ua. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Zelensky at conference: Lugano conference can be first big step towards historic victory of democratic world” (英語). Interfax-Ukraine. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ “Підсумком конференції з відбудови України має стати "Декларація Лугано" - президент Швейцарії” (ウクライナ語). www.ukrinform.ua (4 July 2022). 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月4日閲覧。
- ^ London conference unites international community on Ukraine’s future and global security / The Ukraine Recovery Conference, co-hosted by the UK and Ukraine, was held in London this week. Press release From: Foreign, Commonwealth & Development Office and The Rt Hon James Cleverly MP Published 22 June 2023
- ^ Germany will host next Ukraine recovery conference in June 2024, official says