エイラム頁岩累層

エイラム頁岩累層(エイラムけつがんるいそう、Alum Shale Formation)は、スカンディナヴィア半島南部で卓越する、中部カンブリア系からトレマドキアン階(下部オルドビス系)に相当する黒色頁岩[注 1]。部層には区分されていないが、特徴的な単層が見られる。単層は全域に広く分布するものもあれば局所的に分布するものもある[2]

エイラム頁岩累層のラーガーシュテッテであるオルステン

藻類に起源を持つケロジェンを含むことから、マリナイト英語版オイルシェールにも分類される。また、堆積後のウラン濃縮による照射損傷を受けて芳香族化合物に富む[3]。またウランの放射能によりラジウムも増加している[4]1950年から1989年にかけてスウェーデンはウラン生産にエイラム頁岩を利用していた[5]

また有機物に富む石灰岩には体長0.1 - 2ミリメートルほどの小型の海産動物化石が保存されており、その状態は付属肢が確認できるほど良好で、かつ立体的に保存されている。1970年代に発見されたリン酸塩で置換されたこれらの化石は、他の生物の排泄物に塗れてリンが供給されて保存されたことが2011年に前田晴良らにより発表された[6]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 国際層序委員会英語版が採用し日本地質学会が発行している国際年代層序表では、カンブリア紀は4つの世に分けられる[1]。出典元の中期カンブリア紀という表記は伝統的な地質時代区分に従ったもの。

出典編集

  1. ^ INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)”. 日本地質学会 (2015年). 2021年5月1日閲覧。
  2. ^ Nielsen A.T. & Schovsbo N.H. (2007). “Cambrian to basal Ordovician lithostratigraphy in southern Scandinavia”. Bulletin of the Geological Society of Denmark 53: 82–84. http://2dgf.dk/xpdf/bull53-1-47-92.pdf. 
  3. ^ Peters, Kenneth E.; Walters, Clifford C.; Moldowan, J. Michael (2005). The biomarker guide. Cambridge University Press. p. 777. ISBN 978-0-521-83762-0. https://books.google.com/books?id=qk8anEDZykwC&q=alum+shale&pg=PA777 2009年5月30日閲覧。 
  4. ^ Stranden, E.; Strand, T. (1988). “Radon in an Alum Shale Rich Norwegian Area”. Radiation Protection Dosimetry (Oxford University Press) 24 (1–4): 367–370. doi:10.1093/oxfordjournals.rpd.a080304. http://rpd.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/24/1-4/367 2009年5月30日閲覧。. 
  5. ^ Dyni, John R. (2006). Geology and resources of some world oil shale deposits. Scientific Investigations Report 2005–5294. United States Department of the Interior, United States Geological Survey. http://pubs.usgs.gov/sir/2005/5294/pdf/sir5294_508.pdf 2009年5月30日閲覧。. 
  6. ^ “3D化石と「汚物だめ」: カンブリア紀オルステン化石の保存の謎を解明” (プレスリリース), 京都大学, (2011年4月12日), https://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110412_1.htm 2021年4月30日閲覧。