オイラーの五角数定理
数学において、オイラーの五角数定理(Euler's pentagonal number theorem)は次式が恒等式であることを主張する定理である[1]。
はqポッホハマー記号である。この等式はヤコビの三重積公式の特殊な場合であり、右辺に五角数が表れる。五角数定理から分割関数の漸化式が導かれる。また、五角数定理は、整数を互いに異なる自然数に分割する方法のうち、偶数個に分割する方法の数と奇数個に分割する方法の数との関係を示すものでもある。整数の互いに異なる偶数個の自然数への分割を集合で表し、互いに異なる奇数個の自然数への分割を集合と表すと
が成立する。例えば、整数12を偶数個の互いに異なる自然数に分割する方法は
- 12=11+1
- 12=10+2
- 12=9+3
- 12=8+4
- 12=7+5
- 12=6+3+2+1
- 12=5+4+2+1
であり、奇数個の互いに異なる自然数に分割する方法は
- 12=12
- 12=9+2+1
- 12=8+3+1
- 12=7+4+1
- 12=7+3+2
- 12=6+5+1
- 12=6+4+2
- 12=5+4+3
であるから、左辺はである。一方、であるから、右辺もである。
ヤコビの三重積による証明編集
ヤコビの三重積の公式
に q = x3/2, z = −x−1/2 を代入すると
となる。
組み合わせによる証明編集
英語版を参照のこと。
参考文献編集
- ^ 神保道夫. (2003). 複素関数入門. 岩波書店.
外部リンク編集
- 無限の対称性をめぐって, 平成24年度(第34回)数学入門公開講座テキスト(京都大学数理解析研究所,平成24年7月30日~8月2日開催).
- 跡等式としての五角数定理, 数理解析研究所講究録1497 巻 2006 年 88-102.
- オイラーの五角数定理~ならべごま!~
- オイラーの五角数定理とヤコビの三重積公式