オムニコード
概要
編集オートハープを元にしてデザインされた楽器であり、「ストラムプレート」と呼ばれる細長い金属板と、列に並んだメジャー、マイナー、ディミニッシュのコード(和音)に対応するボタンが特徴となっている。基本的な演奏方法は、ボタンを押さえながら弦楽器を爪弾くように、指かピックで板を撫でるように触る、というものである。
オムニコードは、それ以前に鈴木楽器製作所が開発していたトロニコード(Tronichord)を技術的に継承したもので、技術面でも機能面でも両者には共通性がある。オムニコードには、テンポを調節できるプリセットされたリズム伴奏機能が付いていることが多い。モデルによってはタッチプレートによる音色の選択、ビブラートやサステインなどの機能が追加されている。
通常は卓上や膝の上などに置いて演奏するが、ショルダーキーボードと同様に、ストラップを両端に付けエレクトリック・ギターのように演奏する事もできる。
演奏の手軽さ、アナログ回路を使用したチャイムのようなユニークな電子音とキッチュなオブジェとしての魅力から、楽器初心者からプロミュージシャンまで幅広く人気を集めた。
1996年発売モデル「OM-300」を最後に、一旦製造販売を終了。
Qコード
編集1999年に、オムニコードの後継モデルとして特徴をよりモダンに更新したQコード「QC-1」が発売された[2]。MIDIをサポートし、ソングカートリッジ機能(曲データが入っており、自動演奏が可能となる)を搭載している。
2008年に国内販売終了となったが、海外では「Qchord」「Omnichord」という名称で販売継続されていた。
復刻版
編集2023年に、創業70周年を記念してオムニコード復刻モデル「OM-108」を発表[3]。当初は同年秋頃発売予定であったが、のち2024年6月6日に発売決定した[4]。
人気モデル「OM-84」(1981年発売)の音色を再現した上で、サイズの軽量化とバージョンアップを加え、sus4とadd9thを加えた108コード(12ルート×9タイプ)が演奏可能となり、新たなリズムパターンや打楽器音などが追加された。
著名な演奏者
編集出典・脚注
編集- ^ Hills, Bruce (1982年6月2日). “Device converts the musically illiterate into instant maestros”. The Deseret News 2011年11月21日閲覧。
- ^ Orensten, Evan (2007年12月20日). “Suzuki Omnichord”. Cool Hunting 2011年11月21日閲覧。
- ^ “創業70周年を記念してオムニコードを復刻します”. 鈴木楽器製作所. 2024年2月18日閲覧。
- ^ “オムニコード OM-108”. 鈴木楽器製作所. 2024年6月4日閲覧。
外部リンク
編集- オムニコード - 鈴木楽器製作所
- OMNICHORD OM-108 特設サイト - 鈴木楽器製作所
- Suzuki_Omnichord - Suzuki Europe Ltd.