オリ(ori)とはDNA複製開始のシグナルであるDNA塩基配列のことであり、単にオリジンともよばれる。E. coli の染色体のオリ(oriC)は長さおよそ250組のヌクレオチドで成り立っている。プラスミドのオリの塩基配列は oriC に類似している。これに対し、複製の終結点はter(termination)と呼ばれる。

対合の際、環形型遺伝子複製はFプラスミドの oriT(Tはトランスファー)から始まる。

真正細菌には1つ(複製)開始地点が、古細菌には1つの(複製)開始地点、または複数のレプリコンが、真核生物には複数のレプリコンがあり、それぞれにひとつずつオリがある。レプリコンの長さは40kb(酵母菌やショウジョウバエ)から300kb(植物)と差がある。

多くの生物のミトコンドリアDNAには2つのオリシーケンスがある。ヒトにおいてはDNA鎖の重さよりoriHoriLとよばれ、それぞれが一重鎖複製の開始点である。

参考文献 編集

  • D・サダヴァ「大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学」講談社ブルーバックス 2010年

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