オルプネー古希: Ὀρφνή, Orphnē)は、ギリシア神話に登場するニュムペーである。長音を省略してオルプネとも表記される。その名前は「暗黒」の意[1]オウィディウスの『変身物語』によると、オルプネーは冥界のニュムペーであり、河神アケローンとの間にアスカラポスを生んだという[2]

アスカラポスはハーデースに攫われたペルセポネーが冥界の食べものであるザクロを口にしたことを告げ口し、ペルセポネーが完全に地上に帰還することを妨げた人物である[3][4]。そのためペルセポネー[5]あるいはデーメーテールは報復し、アスカラポスをミミズクに変えた[6]

高津春繁はオルプネーをアケローン川のニュムペーとし[7]ピエール・グリマルステュクス川のニュムペーとしている[8]。アスカラポスの母については異説もあり、ゴルギューラとも[4]、ステュクスとも言われる[1]カール・ケレーニイはゴルギューラという名前について、ゴルゴーンの語尾を長くした形であると述べている[1]

脚注 編集

  1. ^ a b c カール・ケレーニイの邦訳、p.152。
  2. ^ オウィディウス『変身物語』5巻539行-541行。
  3. ^ オウィディウス『変身物語』5巻542行。
  4. ^ a b アポロドーロス、1巻5・3。
  5. ^ オウィディウス『変身物語』5巻543行-551行。
  6. ^ アポロドーロス、2巻5・12。
  7. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.17a。
  8. ^ Pierre Grimal 1986, p.62.

参考文献 編集