「ストライダー」の「ランニングバイク」(キックバイク)に乗る子ども。

キックバイクは、自転車のようにまたがって乗り、足で地面を蹴って進む、ペダルのない幼児用の二輪遊具で、英語など他の多くの言語におけるバランスバイク(balance bike)に相当するものである[1][2][3]。ただし、日本においては「バランスバイク」はラングスジャパン社の商標であるため、日本語における一般的な名称としてはキックバイクが用いられることがよくある。ほかにも、やはり商標に由来する名称である「ランニングバイク[3]、「トレーニングバイク[4]や、代表的なメーカーの名である「ストライダー」などと称されることもある。消費者庁など行政の文書では「ペダルなし二輪遊具」と表現されており、軽車両である自転車とは異なる、幼児の乗用玩具のひとつとされている[5]

日本では2000年代後半から普及が始まったとされ[3]、ブレーキ付きやスタンドを保持したものが発売されている。

概要編集

キックバイクの対象年齢は、2歳から5歳ないし6歳くらいまでの未就学児とされており、この年齢を対象としたレースイベントも開催されている[6][7]。さらに1歳半からの使用を想定した製品もある[8]

キックバイクにはクランクがなく、道路交通法の上でも自転車のような軽車両扱いにはならず、あくまでも遊具玩具であり、公道の走行は認められていない[9]消費者庁は、ペダルクランクチェーンがなく、幼児の握力では操作が難しいことからブレーキも備えられていないことを踏まえた注意喚起を出し、道路での使用禁止、ヘルメットの着用、使用時の大人の立ち会いの3点を呼びかけている[5]国民生活センターは、4銘柄の商品テストを行なった結果から、以上3点に加え、「坂道を滑走してしまった場合、傾斜によっては短い距離でも大人が追いつけない速度」が出ることを指摘し、坂道での使用禁止を呼びかけている[5]

なお、機種によっては、後付けでペダルなどを取り付けて自転車として使用できるものもある[8]

キックバイクは、起伏のあるパンプトラックの走行にも適しているとされる[2]。また、スキーアタッチメントを付けて、雪上を滑走できるようにしたものをスノーキックバイクなどと称し、レースイベントも開かれている[10][11]

金属以外の素材での製作編集

もともと、バランスバイクは、金属製のものばかりではなく木製もあった。日本でも多くのキックバイクはアルミニウムなど軽量金属で作られているが[8]2009年から木製のキックバイクの製造も行なわれており[12]、さらに、段ボール製のキックバイクの組み立てキットも販売されている[13][14]

幼児用乗用玩具ではない「キックバイク」編集

 
キックスケーターに似た、成人用のキックバイク。ニューヨークマンハッタンで、2010年撮影。

日本語における幼児用乗用玩具のキックバイクとは別に、キックスケーターと同様の原理で、サドルはなく、立ったまま足で地面を蹴って進む成人用の二輪車をこう呼ぶ場合もあるが、こちらは1994年にフィンランドで開発された製品の商標「Kickbike」に由来する[15][16][17]

脚注編集

  1. ^ 錦織祐一 (2016年2月3日). “キックバイク大会:激走!! 子供ライダー160人 高知で初”. 毎日新聞・高知: p. 22. "ペダルとブレーキがなく、足で地面を蹴って進む子供向けの二輪遊具「ランニングバイク」(キックバイク)の大会 ..."  - 毎索にて閲覧
  2. ^ a b “情報くりっぷ ストライダーエンジョイカップ開催”. 朝日新聞・朝刊・愛媛全県: p. 28. (2015年11月14日). "... 午前9時からパンプトラック体験会がある。1周約44メートルの起伏をつけたコースで、ペダルをこがず、重心を上下に動かして、弾みで自転車を進める。幼児から大人まで楽しめるという。自転車はマウンテンバイクかキックバイクが適しているという。... ペダルのない幼児用自転車・キックバイクの体験会、..."  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  3. ^ a b c 遠藤まさ子 (2010年11月29日). “流行中! ペダルのない自転車とは?(1/4)”. All About, Inc.. 2016年4月11日閲覧。 “ここ1〜2年、流行の兆しを見せているのが、ペダルのないキッズバイク。「キックバイク」「バランスバイク」「ランニングバイク」などとも呼ばれ ... およそ2〜5歳くらいの子供向けに開発された、自転車型の乗り物。ペダルなどはついておらず、座って蹴り進む乗り物です。このタイプの乗り物は以前からあったのですが、スタイリッシュな商品が増えてきたことや、補助輪外しのトレーニングにも最適という認識も広まったことから、最近の流行へとつながりました。...「ランニングバイク」はストライダー社の商標の一部です。...「バランスバイク」はラングスジャパン社の商標登録です。”
  4. ^ ペダルなし二輪遊具による坂道の事故に注意―衝突や転倒により幼児がけがを負う事故が発生― (PDF)”. 国民生活センター (2014年7月3日). 2016年4月11日閲覧。
  5. ^ a b c ペダルなし二輪遊具の事故防止について(注意喚起) (PDF)”. 消費者庁 (2012年4月4日). 2016年4月11日閲覧。
  6. ^ 遠藤まさ子 (2010年11月29日). “流行中! ペダルのない自転車とは?(4/4)”. All About, Inc.. 2016年4月11日閲覧。 “ストライダーでは、2歳から出場できるレース「ストライダーカップ」を開催しています。... 2歳、3歳、4〜5歳のクラスに別れて競うのですが、...”
  7. ^ “自転車の旅、信濃路で、伊那谷・木曽、伴走ガイド育成、諏訪湖周辺、休憩拠点3つ目”. 日本経済新聞・長野: p. 3. (2013年12月5日). "ペダルがなく、足で蹴って進む幼児用自転車「ランニングバイク(キックバイク)」の人気に着目した動きも広がる。佐久市で昨年開かれた2〜6歳児向けの大会は「首都圏からの誘客に効果があった」(市観光交流推進課)"  - 日経テレコン21にて閲覧
  8. ^ a b c “幼児向け二輪車――ブリヂストンサイクル(ニューフェース)”. 日本経済新聞・朝刊: p. 33. (2004年11月11日). "一般的に三輪車が向いている年齢とされる1歳半から乗ることができるよう設計した。足で地面をけるキックバイク方式。習熟度に合わせて、別売りのペダルなどを取り付けることができる。本体はアルミ製で従来より30%軽量化した。"  - 日経テレコン21にて閲覧
  9. ^ よくある質問 公道での走行はできますか?”. STRIDER JAPAN. 2016年4月11日閲覧。
  10. ^ 浜本年弘 (2013年10月11日). “養父市長杯スノーキックバイク大会:来月2日、参加者募集”. 毎日新聞・兵庫・但馬: p. 24. "ペダルがなく地面を蹴って進む自転車の前・後輪にソリを装着。平地に障害物や雪の起伏を設けた約100メートルのコースを4〜6人で競う勝ち上がりレース。"  - 毎索にて閲覧
  11. ^ “情報くりっぷ ストライダーエンジョイカップ開催”. 朝日新聞・朝刊・北海道: p. 25. (2016年2月23日). "... 札幌市の大倉山ジャンプ競技場ランディングスペースで。子ども用のペダルのない二輪遊具キックバイクにスキーアタッチメントをつけて雪面を滑走するレース。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  12. ^ 岡田昇 (2011年1月13日). “(ぴっくあっぷ)「ワークス・ギルド・ジャパン」 秋田市”. 朝日新聞・朝刊・宮城全県: p. 28. "... 三輪車のようだが、どこか違う。ペダルがない。ブレーキもない。それが、木製キックバイク「ゼロワン」だ。幼児向けの二輪玩具で、地面を足で蹴り、バランスをとりながら走らせる。北欧やドイツでは自転車に乗る練習をするとき、補助輪付き自転車の代わりに使われるという。... 2009年8月の発売後、約200台を売った。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  13. ^ 蓑輪星使 (2013年10月11日). “諏訪サイクルプロジェクト――段ボール製キックバイク(Made by 信越)”. 日本経済新聞・長野: p. 3. "長野県諏訪地域でサイクリングによる町おこしに取り組む「諏訪サイクルプロジェクト」が9月に発売した、子供用の段ボール製キックバイクの売れ行きが好調だ。... キックバイクは足で地面を蹴って進む二輪車。同プロジェクトが発売した「工作キット」は、段ボール箱に部品と道具が入っている。プラモデルを作るように60余りの部品を段ボールから切り離し、説明書に沿って組み立てる。... 本体は強化段ボール、車軸には紙管を使っている。地面に接するタイヤ部分にポリエチレンフォーム材を使っている以外は、全て紙でできている。"  - 日経テレコン21にて閲覧
  14. ^ ダンボールキックバイク”. 諏訪サイクルプロジェクト. 2016年4月11日閲覧。
  15. ^ この商標を所有する企業は、ヘルシンキに本社を置く Kickbike Worldwide Ltd. である。:Welcome to the online store of the Kickbike Worldwide”. Kickbike Worldwide Ltd.. 2016年4月11日閲覧。
  16. ^ “足でけって走る自転車、サン商事(新製品)”. 日経MJ(流通新聞): p. 6. (2001年4月7日). "キックスケーターと自転車を合体させた新しい乗り物「キックバイク」。フィンランドで開発。流線形のデザイン。片足で地面をけって走る。"  - 日経テレコン21にて閲覧
  17. ^ ジュンコハシモト (2001年7月2日). “自転車とキックボードで「キックバイク」”. アエラ: p. 100. "ひところ若者の間でキックボードがはやっていたが、そのキックボードと自転車をあわせたのがこのキックバイク。ペダルをこぐのではなく、足でけって動かす乗り物だ。フィンランドのスポーツ医学の専門家が開発した。... 日本ではサン商事が通信販売している。20代の男性を中心にそのユニークさが受けている。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧

外部リンク編集

  • STRIDER JAPAN - 代表的なブランド「ストライダー」の日本語公式サイト:商品名の「ランニングバイク」として紹介されている。