クメンヒドロペルオキシド

クメンヒドロペルオキシド
クメンヒドロペルオキシドの構造クメンヒドロペルオキシドの球棒モデル
IUPAC名2-ヒドロペルオキシ(2-プロピル)ベンゼン
2-フェニル(2-プロピル)ヒドロペルオキシド
別名α-クメニルヒドロペルオキシド
α,α-ジメチルベンジルヒドロペルオキシド
分子式C9H12O2
示性式C6H5C(CH3)2OOH
分子量152.19
CAS登録番号80-15-9
密度1.02 g/cm3, 液体
相対蒸気密度5.4(空気 = 1)
融点-10 °C
沸点62-64 °C/0.01 mmHg[1]
水への溶解度1.5g/100mL
SMILESC[C@@](C)(OO)C1=CC=CC=C1

クメンヒドロペルオキシド (cumene hydroperoxide、CHP) は有機の過酸化物の一種。

無色または黄色の液体である。ラジカル反応の開始剤として用いられるほか、クメン法によりベンゼンプロピレンからフェノールアセトンを合成する際の中間生成物、またプロピレンオキシド合成における酸化剤(住友化学 単産法[2])として工業的に重要な物質である。可燃性であり、79℃ 以上では爆発することがある。150℃ 以上で分解し、爆発の危険がある。強力な酸化剤であり、還元性物質や可燃性物質と容易に反応する。皮膚、粘膜に対して強い腐食性を示し、霧状のものを誤って吸引すると肺水腫の原因となる。

出典 編集

  1. ^ Walling, C.; Chang, Y.-W. J. Am. Chem. Soc. 1954, 76, 4878-83.
  2. ^ 辻 純平、山本 純、石野 勝、奥 憲章、"プロピレンオキサイド新製法の開発", 住友化学, vol.2006-I, 4-10 (2006). [1]

関連項目 編集