クロム酸カリウム(クロムさんカリウム、Potassium chromate)は、化学式 K2CrO4 で表される物質である。比重 2.732、融点 957 ℃。黄色の結晶、代表的な六価クロムで水に可溶。強熱すると赤色になる。日本の法令では毒物及び劇物取締法において劇物に指定されている。

クロム酸カリウム
識別情報
CAS登録番号 7789-00-6
特性
化学式 K2CrO4
外観 黄色の粉末
密度 2.7320 g·cm−3
融点

975 °C, 1248 K, 1787 °F

沸点

N/A

への溶解度 39.4g/100g水溶液 (25℃)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −1403.7 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 200.12 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 148.98 J mol−1K−1
危険性
安全データシート(外部リンク) Chemical Safety Data
NFPA 704
0
3
3
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

概要 編集

工業的には二クロム酸カリウム炭酸カリウムと反応させてつくられる。酸化剤媒染剤、分析用試薬などに使用される。

 

固体は硫酸カリウムと類似の結晶構造であり、四面体型のクロム酸イオンが含まれ斜方晶系に属し、その格子定数はa = 5.92Å、b = 10.39Å、c = 7.68Åである[2]。 水溶液はクロム酸イオンの加水分解により弱塩基性を示し、水溶液を酸性にすると二クロム酸イオンを生じて黄色からオレンジ色に変化する。

 
 

分析化学において沈殿試薬として用いられ、銀イオンと反応して赤褐色のクロム酸銀を、バリウムイオンと反応して黄色のクロム酸バリウムを沈殿する。

 
 

安全性 編集

労働安全衛生法では「クロム酸およびその塩」として、第2類特定化学物質に指定されている。

参考文献 編集

  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年

関連項目 編集