クロワゾニスム(またはクロワゾニズムクロワソニスムクロワソニズムCloisonnism)とは、暗い輪郭線によって分けられたくっきりしたフォルムで描かれた、ポスト印象派の様式のこと。評論家のエドゥアール・デュジャルダン(Édouard Dujardin)の造語である[1]。この様式は19世紀後期に、エミール・ベルナールルイ・アンクタンポール・ゴーギャンなどによって始められた。この名称は素地に金属線(cloisons=仕切り)を貼り付け、粉末ガラスを満たしてから焼く「クロワゾネ(cloisonné)」を思い起こさせる。

ポール・ゴーギャン黄色いキリスト』(1889年)
フィンセント・ファン・ゴッホ『ブルターニュの女たち』(1888年)

クロワゾニスムの代表としてあげられるのが『黄色いキリスト』(1889年)で、ゴーギャンは絵を黒い輪郭線で区切った単色の部分に切り詰めた。こうした作品で、ゴーギャンはポスト=ルネサンス絵画で最も重要な2つの要素、つまり「古典的な遠近法」をほとんど気にとめず、また「微妙な色のグラデーション」は大胆に省いた。

脚注 編集

  1. ^ Dujardin, Édouard: Aux XX et aux Indépendants: le Cloisonismé (sic!), Revue indépendante, Paris, March 1888, pp. 487-492

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