コスラエ州

ミクロネシア連邦の島
コスラエ島から転送)

座標: 北緯5度19分 東経162度59分 / 北緯5.317度 東経162.983度 / 5.317; 162.983

コスラエ州(Kosrae, /koʊˈʃaɪ/)は、ミクロネシア連邦の4州(ヤップ州チューク州ポンペイ州、コスラエ州)のひとつ。他の州と異なり、コスラエ島(旧称:クサイ島)とその属島のみで1つの州をなす。

コスラエ州(コスラエ島)
日本統治時代のコスラエ人
コスラエ国際空港

概要 編集

タフンサックレラマレムウトエの4行政単位に分かれている。タフンサックの中には陸路からは行けないワラン村、レラの中には州都のトフォール村、考古遺跡のレラ遺跡も含まれる。有人島のレラ島とは現在は「コーズウェイ」と呼ばれる道路でつながっている。島の外周に自動車が通れる舗装道路があるが、周囲の4分の3程度しか無く、道路のないワラン村へは海路しかない。

日本の委任統治下で近代的な電気水道学校病院などのインフラストラクチャーの充実が進んだが、第二次世界大戦以降アメリカの統治下で停滞し、1998年デング熱が流行した。島には州立の病院が一軒だけあるが、医療レベルは低く、病院内の衛生状態も悪い。一般的には疫病は皆無である。

島の内部にはジャングルが広がり、人は海岸沿いに住んでいる。年間を通じて25 - 32℃程度の気温である。 周辺に比べ海水温が高く、海の透明度が高い。そのため海中風景は楽しめるが大物を見るためのダイビングにはあまり適さない。ネムリブカスティングレイバラクーダの群れは時に見ることができる。ジンベイザメは一度だけ現れた報告がある。

宗教 編集

プロテスタント系の一派が、ほぼ全島民の信仰を集める。信仰心は高く、日曜日は安息日として海に入ること、仕事、魚釣り等が禁じられており、観光客が知らずに遊んでいると、住民に怒られる。家庭では料理もしないのが普通で、前日に作り置いた、ココナッツスープで煮込んだお粥を食す。コスラエ人が営業する店はすべて日曜は休みである。オーストラリア人やアメリカ人が経営するホテルのレストランは日曜日も営業しているが、ビールなど酒類は購入できない。

住民は日曜には教会に集まり、礼拝する。賛美歌を通して合唱の文化が育っており、知らない歌もすぐに合唱する。クリスマスには各地の教会でマーチが行われ、「1組」「2組」など、日本統治時代の「隣組」に分かれて組ごとに競い合う。

宗教上の地位が、社会的な地位を上回ることもあり、宗派の戒律である「酒を飲まない・たばこを吸わない」ことが上に立つものの条件とされる。

民族・言語 編集

英語コスラエ語が通用する。年輩の男性の中にはきれいな日本語を話す人も多いが、年と共に減っている。太平洋戦争後はアメリカ合衆国の統治下にあり、高校では英語で授業が行われるのが建前であるが、生活言語はほぼ100%コスラエ語であるため、現実にはコスラエ語で行われていることが多い。

関連項目 編集

外部リンク 編集