サドンロック

和歌山県白浜町の三段壁にある岩

サドンロックは、日本和歌山県西牟婁郡白浜町の観光地である三段壁にある岩。2018年平成30年台風第21号の日本列島直撃後、崖の上に出現したことが確認された。

遊歩道側から見たサドンロック
三段壁洞窟から見たサドンロック

2021年2月から名前が募集され、878名の応募のうち同年4月末にサドンロックに決定された。

出現 編集

平成30年台風第21号は2018年9月4日の正午ごろに徳島県南部に上陸、14時ごろには兵庫県神戸市付近に再上陸し、その後は速度を上げて近畿地方を縦断した。中心気圧は四国上陸時に950hpa本州上陸時に955hpaを記録。最大瞬間風速はどちらの時点でも秒速45メートルに達した。この台風により近畿地方は猛烈な雨と風に見舞われ、和歌山県白浜町は13時2分に最高潮位164センチメートルを観測した。これは平成23年台風第12号(2011年)による最高潮位152センチメートルを上回る記録であった[1]。三段壁では約50メートルの高さにある崖にも波が届き[2]、崩落も起きた[3]

台風第21号が過ぎ去った数日後、三段壁の北側の崖の上で、遊歩道脇に岩が出現していたことが確認された。岩の大きさは長さ約4.2メートル、高さ約1.2メートル、幅約1メートルであった[3][4]。台風以前の写真にはその岩は写っておらず、また下の岩盤との間に空隙があること、材質も異なることから、別の場所から運搬されたと見られている[2]。その起源は不明であるが、台風第21号による高波で海から押し上げられたか、崖の上に位置していた岩が風雨により転落・移動したと見られている[4]

命名 編集

発見された岩は命名以前に「謎の岩」と呼称されていた[2]三段壁洞窟の運営会社である「三段壁洞窟」はこの岩を新たな観光スポットとすべく、2021年2月にInstagramや洞窟内の応募箱を使って岩の名称を募集した[3]。締め切りの4月5日までの応募人数は878名[2][3][5]、総数は約770作に上った[6]。「三段壁洞窟」のスタッフが10作まで候補を絞った後、現地とインターネット上で187票の投票があり、41票を獲得した「サドンロック」に決定した[6]。その他の候補には「希石」「シラくまロック」「風来岩」などがあった[6]。「サドンロック」名称には三段壁に現れたことと、その出現が突然のことであったことから、「三段」と"sudden"の二つの意味が込められている[4][5]

出典 編集

  1. ^ 平成30年 台風第21号について”. 気象庁 (2018年9月19日). 2021年5月10日閲覧。
  2. ^ a b c d 大野宏「崖の上、台風過ぎたら謎の岩 どこから来た?名前を募集」『朝日新聞』、2021年2月21日。2021年5月10日閲覧。
  3. ^ a b c d 命名「サドンロック」」『読売新聞』、2021年4月30日。2021年5月10日閲覧。
  4. ^ a b c 「サドンロック」と命名 名勝・三段壁に突然出現の岩」『京都新聞』、2021年4月30日。2021年5月10日閲覧。
  5. ^ a b 三段壁 謎の岩名前決定!”. 南紀白浜観光協会 (2021年4月28日). 2021年5月10日閲覧。
  6. ^ a b c 勝部真一「和歌山・白浜町の三段壁に現れた「謎の岩」の名称決まる」『朝日新聞』、2021年4月28日。2021年5月10日閲覧。

座標: 北緯33度39分58.5秒 東経135度19分58.8秒 / 北緯33.666250度 東経135.333000度 / 33.666250; 135.333000