シャクティ派(性力派, シャークタ派)は、ヒンドゥー教における宗派の1つ。

シュリ―・ヴィディヤー派の宇宙図・ヤントラ英語版(儀礼の道具)。上向きの4つの三角形は宇宙の男性原理・シヴァ神を、下向きの5つの三角形は女性原理・シャクティを象徴し、両者の合一が表示されている。[1]

シャクティ」とは「エネルギー、力」とりわけ「性力」を意味する。

シヴァ派から派生した宗派で[2]シヴァ神の妃の性力(シャクティ)に対する崇拝を特徴とする。

ヨーガが依拠するチャクラ理論において、会陰(肛門と性器の狭間)にあるチャクラ「ムーラーダーラ」に眠るシャクティ(性力)のことを「クンダリニー」と呼ぶが、これは伝統的にはシヴァ神の妃と同一視され、「とぐろを巻いた蛇」として表現される[3]。(そして、シヴァ神の座所である頭頂のチャクラ「サハスラーラ」へとその蛇を上昇させて行き、合一させることが目指される。)

このように、シャクティ派は、ヨーガの実践やチャクラ理論との結び付きが強く、タントラ教(タントリズム。タントラが密教と日本語訳される事もしばしばある様に、密教との厳密な区別は難しい)の方法論の基盤となっている。日本密教においても理趣経にその影響が見られ、特に後期密教には大きな影響を与えている。

脚注・出典

編集

参考文献

編集
  • 橋本泰元、宮本久義、山下博司『ヒンドゥー教の事典』東京堂出版、2005年。 

関連項目

編集