シロガヤ(白茅[1])は、浅い海に見られるヒドロ虫の一つ。やや強い刺胞毒を持つ。

シロガヤ
シロガヤ
分類
: 動物界 Animalia
: 刺胞動物門 Cnidaria
: ヒドロ虫綱 Hydrozoa
: 軟水母目 Leptomedusae
: ハネガヤ科Plumulariidae
: シロガヤ属 Aglaophenia
: シロガヤ A. whiteleggei
学名
Aglaophenia whiteleggei Bale

特徴

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シロガヤ Aglaophenia whiteleggei Bale は、刺胞動物門ヒドロ虫綱軟クラゲ目ハネガヤ科に属する動物で、小さな樹木のような群体を作る。名前は白榧のことで、[要出典]主軸や側枝は黒っぽいが一面に出る小枝が白く見えること、群体の枝振りが榧に似ることによる。

ヒドロ根は岩の上を這い、やや間をおいて多数の直立する群体を生じる。個々の群体は樹枝状で、高さ7-20cm、その軸は黒い。この主軸からは少数の枝がまばらな方向に出て、さらにその上に小枝が多数出る。それらの枝は特に先のものほど短い、といった傾向はなく、広葉樹の枝振りを思わせる。

小枝は分枝の節ごとに一本ずつ互生して生じ、単一の平面に並ぶ。色は白くてその片面に一列をなして密にヒドロ莢が並ぶ。ヒドロ莢は透明なコップ型で、斜め上に口を開き、その縁に一個の大きい歯(のような突出部)が突出し、その両側には小さな歯が一対出る。また、背面には棘状の突起(中央刺莢)が伸びる。その内部は仕切がない(一室)。

有性生殖部は枝の中程に一つ作られ、変形した小枝によって抱えられたような形になっている(コルビュラ)。それを構成する小枝の基部にはしっかりした莢がない。

生育環境

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浅い海に見られる。潮間帯でも干潮線の直下から見られ、低い位置では大きな潮だまりでも見られる上、大きくてはっきりした枝振りであるから、見つけやすいものである。

分布

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本州北部以南の日本各地で見られる。オーストラリアからも知られる。

近縁種等

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いくつかの近縁種が知られている。同属ではアカガヤ A. suesoni Jaederholm は高さ4cmとはるかに小さい上に分枝がなくて全体が単一の羽状をしている。また名前の通り赤みを帯びている点で見分けがつく。

利害

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刺胞毒がやや強く、刺されると炎症を起こす場合がある。素手で扱うのは注意を要する。

参考文献

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  • 岡田要,『新日本動物図鑑』,1976,図鑑の北隆館
  • 西村三郎編著(1992)『原色検索日本海岸動物図鑑』保育社

脚注

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  1. ^ 内外動物原色大図鑑 目録”. 長野電波技術研究所附属図書館. 2023年11月26日閲覧。