シンヒカー
シンヒカーは、インド神話に登場する女性である。主に、
の二人が知られている。以下に説明する。
ダクシャの娘
編集このシンヒカーはダクシャの娘の1人で、カシュヤパ仙の妻[1][2]。魔神ラーフの母[3]。しかしダイティヤ族の1員であるともいわれ、その場合シンヒカーはディティとカシュヤパの娘でヒラニヤークシャ、ヒラニヤカシプ[4]、マルト神群と兄妹で[5]、ダーナヴァ族のヴィプラチッティとの間にラーフを生んだとされる[4][3]。
羅刹女
編集このシンヒカーは叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する羅刹女(ラークシャシー)。普段はランカー島沖の海中に潜んでいるが、海面に写る影を見て海中から現れて獲物を捕らえるという[6]。ハヌマーンが海を跳躍し、ランカー島に潜入しようとしたとき、海から姿を現して、天にも届くような巨大な口でハヌマーンを喰らおうとした。そこでハヌマーンはシンヒカーの口から体内に入り込み、心臓を切り裂いて倒した[6][1]。
脚注
編集参考文献
編集- ヴァールミーキ『ラーマーヤナ』阿部知二訳、河出書房、1966年。
- 『バーガヴァタ・プラーナ 全訳 中 クリシュナ神の物語』美莉亜訳、星雲社・ブイツーソリューション、2009年5月。ISBN 978-4434111976。
- 菅沼晃 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。