ゾンド1号(ゾンド1ごう、ロシア語: Зонд-1、ラテン文字表記の例: Zond 1)は、ソビエト連邦ゾンド計画で打ち上げられた探査機の1つである。ベネラ1号に続いて金星近傍に達したソ連の2つ目の探査機となったが、到着前に通信が途絶えたため惑星は観測できなかった。

ゾンド1号 (Зонд-1)
国際標識番号 1964-016D
カタログ番号 00785
状態 運用終了
目的 惑星探査・技術試験
観測対象 金星
打上げ機 モルニヤ
打上げ日時 1964年4月2日
2時52分 UTC
最接近日 1964年7月14日(金星)
通信途絶日 1964年5月14日
物理的特長
質量 890kg
搭載機器
着陸カプセル
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概要 編集

ゾンド1号は3MV-1と呼ばれるタイプの探査機で、後続のゾンド2号3号ベネラ2号ベネラ3号などの姉妹機であった。90cmの球形の着陸カプセルには、大気の化学分析計、岩石のガンマ線測定器、光度計、温度圧力計が搭載された。当時は金星の地表についてよく知られていなかったため、水上に着陸した場合を想定し、モーション/ロッキングセンサーも積んでいた。

ゾンド1号は、1964年4月2日にバイコヌール宇宙基地から打上げられた。金星への飛行中、ひびの入ったセンサー用の窓から徐々に気体が漏れ、内部の与圧が失われた。地上からの指令により無線システムの電源が入れられた時、タイミング悪く機内に若干の空気が残っていたため、コロナ放電が発生して電子機器がショートしてしまった。その後、故障を免れた着陸カプセルの送信機に切り替えて通信を維持し、宇宙線や原子状水素分光計の観測を続けたが、5月14日に全ての通信が途絶した。1964年7月14日、ゾンド1号は金星から10万kmの位置を通過し太陽周回軌道に入った。

外部リンク 編集