チランジア・カクティコラ

チランジア・カクティコラ Tillandsia cacticolaパイナップル科の植物の1つ。いわゆるエアープランツの1つであり、特に花が美しいものである。

チランジア・カクティコラ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: イネ目 Poales
: パイナップル科 Bromeliaceae
: ハナアナナス属 Tillandsia
: チランジア・カクティコラ T. cacticola
学名
Tillandsia cacticola L. B. Smith

特徴 編集

常緑性の多年生草本[1]。白っぽい葉をロゼット状につける植物である。ただし茎を伸ばして30cmほどの背丈になる型も知られる[2]。葉の長さは30-40cm、基部から先端へと次第に細くなり、先端では槍のように尖る。通常はやや樋型の葉だが、乾燥すると葉の縁が内側に丸まり、筒状になる。これは乾燥への対応と思われ、水を得ると元通りの樋型になる。

花茎は立ち上がって高さ40-60cmに達し、その先端に穂状花序を数個つける。花序を包む花苞は白みがかったラベンダーないしピンク色を呈する。そこから出る花は径5-6mmで丸みがあり、黄白色だが花弁の縁には青い縁取りの模様が出る。

種小名は「サボテンに生える」の意で、サボテンに着生するというものであるが、実際にはサボテンのみに着生しているわけではない。

分布 編集

北部ペルーの海抜1800mの高地に分布する[3]

利用 編集

観賞用に用いられる。

この種は特に花が美しいことが特徴で、淡い紫の花苞も美しく、「ある種のチョウの羽に見られるアオガイ模様のキラメクのを思わせる」とも。また花そのものも美しく、1-2ヶ月の間に次々と咲く上、苞の美しさはその後も長く維持される。このため、現地ペルーから花穂だけが切り花として欧州へ輸出されている[4]

エアープランツとしても栽培される。サボテンに着生するというものではあるが、サボテン並みに乾燥させて栽培するとうまく育たず、意外に水を求めるものだという[2]

出典 編集

  1. ^ 以下、主として石井・井上編集代表(1970),p.2889
  2. ^ a b 藤川(2013),p.43
  3. ^ 石井・井上編集代表(1970),p.2889
  4. ^ 引用も含め石井・井上編集代表(1970),p.2889

参考文献 編集

  • 石井林寧、井上頼数編集代表、『最新園芸大事典』、(1970)、誠文堂新光社
  • 藤川史雄、『ティランジア エアプランツ栽培図鑑』、(2013)、株式会社ピーエムジェー