ツブカラカサタケ(粒唐傘茸、L.americanus)は、肥沃なものから発生する白いキノコで、食べると消化器系の中毒を起こす。

ツブカラカサタケ
傘が最も大きい子実体がツブカラカサタケの成菌。その傘の下に生える2つの子実体は幼菌。
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ハラタケ科 Agaricaceae
: シロカラカサタケ属 Leucoagaricus
: ツブカラカサタケ L.americanus
学名
Leucoagaricus americanus(Peck) Vellinga (2000)
和名
ツブカラカサタケ(粒唐傘茸)

分布 編集

日本ヨーロッパ北アメリカの、肥沃なものから発生する[1]

形態 編集

 
未成熟なツブカラカサタケ

径は5~15㎝[1]。最初卵形で、中高扁平型に開く[2]。幼菌は饅頭型[3]

傘の表側は白色地に褐色の鱗片を放射状につけ、中央部は濃色[2][1]。中央部は密生するが、周辺はまばらになる[3]。周辺部には不明慮な溝線がある[3][1]

傘の裏側のひだは、白色ののち淡クリーム色で密生する[3][2]。隔生[2]胞子は広卵形で9~10.5×6.5~7.5㎛[1]

は長さ5~13㎝。柄は下方が太く、中空。上部に脱落しやすい[2]。厚い膜質のつばがあり[1]、つばより上は粉状だが、つばより下は[3]、傘同様の粒状の鱗片におおわれる[1]が脱落しやすい[2]

は白色で無味無臭[2]。触れたり傷ついたりすると表皮や肉に赤変性があり、乾燥すると全体が帯紫褐色化する[2][2]

生態 編集

切り株上、くず材、温室の中[1]おがくず[1][3]、堆肥[1][2]腐葉土、積みわら[3]、肥沃な地面[2]、木材チップを敷き詰め発行し暖かくなっているような場所[1]などのような肥沃なものから多数群生~束生する。社寺庭園などの落ち葉の集積場では、しばしば大量の発生がみられ、時には3か月にもわたり続き、高く積み上げられた落ち葉の山が目に見えて低くなる[3]

編集

消化器系中毒を起こす[2]。毒成分は不明[3]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、184~185頁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、123頁
  3. ^ a b c d e f g h i 長沢栄史、増補改訂フィールドベスト図鑑13『日本の毒きのこ』、学研、2009年、119頁