テパリービーン(Tepary Bean)は、マメ科インゲンマメ属の植物。アメリカ南西部からメキシコにかけてが原産地で、コロンブス到達以前からネイティブ・アメリカンたちによって栽培されていた古い栽培作物である。一般的な豆に比べて乾燥に強く、年間降水量400mm以下でも生育できるため、アリゾナ州からメキシココスタリカにかけての砂漠や半砂漠地帯に栽培される。近年ではアフリカに導入されている[1]

テパリービーン

野生のテパリービーンはつる性の植物で砂漠の植物に巻きついて成長するが、栽培品種はインゲンマメのように育つ。

パウィ、パビ、テパリなどとも呼ばれる。テパリーの名の由来は、この豆を栽培していたパパゴ人の言葉で豆を意味するt'pawiである。

テパリービーンは、いったん乾燥させ、水に浸してから調理される。また、煮込みや粉にして使用することもできる[2]。ネイティブ・アメリカン社会では非常に重要な作物であり、スクワッシュ(カボチャ類)およびトウモロコシとともに栽培された。

脚注 編集

  1. ^ 『新編 食用作物』星川清親、養賢堂、昭和60年5月10日、訂正第5版、p499-500
  2. ^ 「世界の食用植物文化図鑑」p203 バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント著 山本紀夫監訳 柊風舎 2010年1月20日第1刷