トーマス・マシュー・クルックス
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トーマス・マシュー・クルックス（英語: Thomas Matthew Crooks、2003年9月20日 – 2024年7月13日）は、アメリカ合衆国の男性、暗殺未遂犯、共和党員。2024年アメリカ合衆国大統領選挙の共和党候補だったドナルド・トランプを狙撃し、右耳を負傷させるなど3名を負傷させ、聴衆1名を死亡させる事件を起こした（ドナルド・トランプ暗殺未遂事件）。
トーマス・マシュー・クルックス | |
|---|---|
| 生誕 |
2003年9月20日 アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 べセルパーク |
| 死没 |
2024年7月13日（20歳没） アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 バトラー |
| 死因 | 射殺 |
| 教育 | |
| 著名な実績 | ドナルド・トランプ暗殺未遂事件 |
| 政党 | 共和党[1][2][3][4][注釈 1] |
| 動機 | 調査中 |
| 殺人 | |
| 時期 | 2024年7月13日 |
| 現場 | ペンシルベニア州バトラー近郊 |
| 死者 | 1人 |
| 負傷者 | 3人（ドナルド・トランプを含む） |
| 凶器 | AR-15 |
クルックスはペンシルベニア州ベセルパークの中流階級家庭に生まれ、その後べセルパーク高校に入学。高校内での印象はインテリな感じで、物静かであったという。その後アレゲニー・コミュニティ・カレッジに入学。銃撃の2か月前となる2024年5月には短期大学士を取得し、ナーシングホームで厨房作業員として働いた。
その後、2024年アメリカ合衆国大統領選挙に向けて共和党員として有権者登録した。一方、民主党の組織「進歩的政治行動委員会」への寄付を行ってもいた。
2024年7月13日、ペンシルベニア州バトラーで演説を行っていたトランプを銃撃し、暗殺未遂事件を起こした。トランプは右耳の負傷で留まったが、聴衆1名が死亡。直後、シークレットサービスに射殺された。
生い立ち
編集2003年9月20日、クルックスはペンシルベニア州ベセルパークでリバタリアン党支持者[5]の両親の下に生まれる[1][6]。中流階級、もしくは上位中産階級の家庭であったと思われている[7]。両親はソーシャルワーカーとして働いていた[8][9]。
高校時代
編集べセルパーク高校に入学。2022年に卒業。成績優秀者であったという[10][9]。クラスメートからの印象は、「物静かな男性」であったという。また、他のクラスメートから頻繁にいじめられており[11][9][2]、いじめを避けるために普段からマスクをつけ、狩猟服を着てカモフラージュしていた[12][11]。高校時代は射撃部に入ろうとしたことがあったが、結局入っていない[13]。
その他、クラスメートはクルックスの成績について「Incredibly Intelligent（信じられないほど賢い）」と評価している[7]。クルックスは、全米数学・科学賞で「スター・アワード」という賞を受賞しており、500ドルを賞金として受け取っている[3][9][14]。また、クルックスは、2023年にべセルパーク高校で撮影された資産運用会社ブラックロックの広告にも出ている[15][16]。
大学時代
編集アレゲニー・コミュニティ・カレッジに入学。銃撃の2か月前には理数系科目で短期大学士を取得していた。その後、ナーシングホームで厨房作業員として働いていた[17][7][14]。クルックスに前科はなく[1][18]、ペンタゴンによると兵役の志願も行っていなかった[19]。
ドナルド・トランプ暗殺未遂事件
編集2024年7月13日、ドナルド・トランプ暗殺未遂事件が発生。翌日には、その犯人がクルックスであることをFBIが発表した[20]。クルックスは、ペンシルベニア州バトラーで2024年アメリカ合衆国大統領選挙に向けて演説を行っていた元大統領のドナルド・トランプを銃撃し負傷させた[21]。このほか、銃弾は成人男性の聴衆3名にもあたり[22]、その内1人が死亡、2人は重体となっている（この二人は一日ほどで安定した状態になった）[23][24]。アメリカ合衆国の警察によると、銃撃に使用したAR-15は父親が所有していたもので、合法的に購入したものであったという[25][14]。
クルックスは銃撃直後、シークレットサービスの対襲撃部隊によって射殺された[3][17][26][27]。クルックスが当時来ていた服は、銃を取り扱う著名なYoutubeチャンネル「Demolition Ranch」の商品であった[18][28][14]。また、実家や車からは爆薬の制作材料が発見された[19][29]。その後の捜査によってペンシルベニア州ジェファーソンヒルズの射撃場「Clairton Sportsmen's Club」の会員であったことが判明した[30][14]。。
政治との関り
編集クルックスは共和党員として有権者登録しており[1][2][4][3]、有権者登録は18歳となった2021年9月より有効となった[1]。クラスメートによると思想は「やや右寄り」[7]。その他、あるクラスメートは
私はクルックスがトランプのシャツかそれに似たものを着ているのを前に見たような気がする
とコメントしている[31]。しかし、選挙に参加したことがあるのは2022年アメリカ合衆国選挙のみであると公式に発表されている[8]。
一方、2021年1月20日（当時17歳）に民主党の寄付プラットフォーム「ActBlue」を通じて、民主党の組織「進歩的政治行動委員会」に15ドルの寄付を行っている[10][17][3][32]。ちなみに1月20日は2021年ジョー・バイデン大統領就任式の日付と同じである[9]。進歩的政治行動委員会によると、就任式にクルックスに届いた「tuning into」というEメールを見て寄付を行い、2022年に委員会のメーリングリストから登録解除した[8]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e Jacoby, Kenny; Cann, Christopher; Le Coz, Emily; Bhat, Suhail (2024年7月14日). “Trump rally shooter Thomas Crooks identified: What we know”. USA Today. ISSN 0734-7456. オリジナルの2024年7月14日時点におけるアーカイブ。 2024年7月14日閲覧。
- ^ a b c “Trump rally shooter identified as 20-year-old Pennsylvania man”. NBC News (2024年7月14日). 2024年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月15日閲覧。
- ^ a b c d e Healy, Jack; Baker, Mike; Bogel-Burroughs, Nicholas; Benner, Katie (July 14, 2024), “Here's What Is Known About the Suspected Gunman”, The New York Times, オリジナルのJuly 14, 2024時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “FBI Identifies Thomas Matthew Crooks as 'Subject Involved' in Trump Rally Shooting”. US News & World Report. (2024年7月14日). オリジナルの2024年7月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ 産経新聞 (2024年7月15日). “トランプ氏銃撃のクルックス容疑者、「毎日のようにいじめられ」の証言 成績は優秀”. 産経新聞：産経ニュース. 2024年7月15日閲覧。
- ^ Vargas, Ramon Antonio (2024年7月14日). “FBI names suspect, 20, as 'subject involved' in Trump rally shooting”. The Guardian. ISSN 0261-3077 2024年7月14日閲覧。
- ^ a b c d “Here's What Is Known About the Suspect Who Tried to Assassinate Trump”. The New York Times (2024年7月14日). 2024年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月15日閲覧。
- ^ a b c Devine, Danny Freeman, Holmes Lybrand, Casey Tolan, Majlie de Puy Kamp, Curt (2024年7月14日). “What we know about the Trump rally gunman so far”. CNN. 2024年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月14日閲覧。
- ^ a b c d e Deto, Ryan (2024年7月14日). “Who is Thomas Crooks, the alleged gunman in the Trump shooting?”. Pittsburgh Tribune-Review. 2024年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月15日閲覧。
- ^ a b Josefczyk (2024年7月14日). “Here's what we know about Thomas Matthew Crooks, the suspected Trump rally shooter”. Reuters. 2024年7月15日閲覧。
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- ^ Seldin, Jeff (2024年7月14日). “New information emerges on Trump shooting suspect”. Voice of America
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- ^ a b c d e “トランプ氏銃撃容疑者、射撃クラブに所属 介護施設で勤務 米報道”. 毎日新聞デジタル. (2024年7月15日) 2024年7月16日閲覧。
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- ^ Watson, Kathryn (2024年7月14日). “Trump says bullet "pierced the upper part of my right ear" when shots were fired at Pennsylvania rally”. CBS News. オリジナルの2024年7月14日時点におけるアーカイブ。 2024年7月14日閲覧。
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- ^ “Trump rally shooting: Ex-president injured in assassination attempt at rally that leaves spectator and gunman dead”. Sky News. 2024年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月14日閲覧。
- ^ “トランプ氏銃撃事件の容疑者、車の中に爆発物積んでいた－ＷＳＪ”. Bloomberg (2024年7月15日). 2024年7月16日閲覧。
- ^ “FBI reveals new details about man behind Trump shooting: Gunman was a member of a local Pennsylvania gun range”. BBC (2024年7月14日). 2024年7月15日閲覧。
- ^ Morrison, Oliver (2024年7月14日). “Alleged Trump shooter: Smart, quiet, say Bethel Park community members”. WESA
- ^ Josefczyk, Aaron; Ward, Jasper; Singh, Kanishka (2024年7月14日). “Trump's shooter was a registered Republican, had donated to a Democratic PAC”. The Times of Israel. オリジナルの2024年7月14日時点におけるアーカイブ。