ニゲリシン(Nigericin)は、Streptomyces hygroscopicusに由来する抗生物質である。1950年代に単離について記載され[1]、1968年にX線結晶構造解析により構造が解明された[2]。構造と性質は、同じ抗生物質のモネンシンに似る。商業的には、ゲルダナマイシンの発酵の際の副産物または不純物として得られる。ポリエテリンA、アザロマイシンM、ヘリキシンC、抗生物質K178、抗生物質X-464とも呼ばれる。

ニゲリシン
識別情報
CAS登録番号 28380-24-7 ×
PubChem 34230
ChemSpider 10196461 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL405862 チェック
特性
化学式 C40H68O11
モル質量 724.96132
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ニゲリシンは、H+、K+、Pb2+等のイオノフォアとして働く。最も一般的には、H+、K+アンチポーターとして働く。

かつて、ニゲリシンはグラム陽性菌に対する抗生物質として用いられていた。真核生物の細胞でゴルジ体の機能を阻害する。また、ニゲリシンは抗HIV活性も示す。

出典

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  1. ^ Graven SN, Estrada-O S, Lardy HA (1966). “Alkali metal cation release and respiratory inhibition induced by nigericin in rat liver mitochondria”. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 56 (2): 654–8. doi:10.1073/pnas.56.2.654. PMC 224422. PMID 5229984. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC224422/. 
  2. ^ Steinrauf LK, Pinkerton M, Chamberlin JW (1968). “The structure of nigericin”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 33 (1): 29–31. doi:10.1016/0006-291X(68)90249-0. PMID 5696503. 

外部リンク

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