ナノパス
テルモが開発・販売している注射針
(ナノパス33から転送)
ナノパス(NANOPASS)は、テルモと岡野工業が共同開発した、インスリンや成長ホルモンなどを皮下注射するためのペン型注射器用ディスポーザブル針[1]。「こわくない注射針」をコンセプトに、2005年7月1日にテルモから当時世界一細い33Gのナノパス33が発売され[1]、2012年には、さらに細いナノパス34を発売した[1]。2019年には針の長さをナノパス34より若干短くした、皮膚の薄い人用のナノパスJr.が発売された[1]。
解説
編集「ナノパス33」は愛称で、製品名は「ナノパスニードル」である。針の先端の直径が0.2 mm(33ゲージ、33G)と発売当時世界で最も細いことから、糖尿病でインスリンの自己注射を頻繁にしなければいけない患者の痛みを少なくすることが期待でき、なおかつ世界初の外径・内径をダブルテーパー構造にすることで、薬液を注入する際の抵抗を抑えている。
2005年度グッドデザイン賞にて、iPodを抑え大賞に選出された[2][3]。
2011年10月、2012年1月より「ナノパス33」を中国全土で本格販売を開始することが発表された[4]。
2012年9月、直径0.18 mm(34G)とさらに細いペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスニードルⅡ」(愛称「ナノパス34」)を発売した[5]。独自の非対称刃面構造「アシンメトリーエッジ」を用いることで、「突き刺す」のではなく「小さく切る」ことで痛みを軽減している。
2019年2月25日、子供ややせ型の人など皮膚の薄い人対象の「ナノパスJr.」を発売[6][7]。従来のナノパス34より針が1 mm短くなっている[6][7]。従来のナノパス34の発売も継続される[6]。
脚注
編集- ^ a b c d “世界最短・最細の“怖くない”注射針”. ニュースイッチ Newswitch. 日刊工業新聞社 (2019年3月5日). 2020年4月17日閲覧。
- ^ “2005年度グッドデザイン大賞”. GOOD DESIGN AWARD 2005. (2005年10月25日) 2012年8月11日閲覧。
- ^ “グッドデザイン賞,大賞は「iPod」などを抑えて世界一細いインスリン用注射針”. 日経テクノロジー. (2005年10月25日) 2014年6月22日閲覧。
- ^ 『テルモ、中国で糖尿病ケアに貢献 世界で最も細い*1インスリン等投与用注射針「ナノパス33」本格発売』(プレスリリース)テルモ株式会社、2011年10月18日。オリジナルの2016年3月7日時点におけるアーカイブ 。2020年8月4日閲覧。
- ^ 『世界最細※1で痛みの軽減を追求 テルモ、「ナノパスニードルⅡ」34Gを新発売』(プレスリリース)テルモ株式会社、2012年8月30日。オリジナルの2012年10月28日時点におけるアーカイブ 。2020年8月4日閲覧。
- ^ a b c “テルモ、ペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスJr.」を発売”. 日本経済新聞 電子版. 日本経済新聞社 (2019年2月25日). 2020年4月17日閲覧。
- ^ a b “【新製品】注射針「ナノパスjr.」を発売‐世界最細・最短を実現 テルモ”. 株式会社 薬事日報社 (2019年3月4日). 2020年4月17日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 先端わずか0.2ミリ、世界一極細のインスリン用注射針 「ナノパス33」 - テルモ株式会社
- 世界で最も細いペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスニードルⅡ(ナノパス34) - テルモ株式会社
- 2005年度グッドデザイン大賞 インスリン用注射針[ナノパス33] - Good Design Award
- 岡野工業株式会社 代表社員 岡野雅行 スペシャルインタビュー - B-plus(ビープラス)