ニテンピラム: Nitenpyram)はネオニコチノイド殺虫剤の一種。農薬および動物用医薬品として使用される。中枢神経系の伝達を阻害することにより殺虫効果を持つ。

ニテンピラム
Nitenpyram
識別情報
CAS登録番号 150824-47-8
ATC分類 QP53BX02
特性
化学式 C11H15ClN4O2
モル質量 270.72 g mol−1
外観 微黄色の結晶
融点

72℃[1]

への溶解度 840g/L(20℃)
有機溶媒への溶解度 クロロホルム 700g/l
メタノール 670g/l
アセトニトリル 430g/l
アセトン 290g/l
エタノール 89g/l
酢酸エチル 33g/l
キシレン 4.5g/l[2]
危険性
半数致死量 LD50 >1575mg/kg(ラット雌、経口)[2]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

用途 編集

農薬 編集

武田薬品工業が開発し、1995年(平成7年)11月28日に、日本で農薬登録を受けた。イネウンカや野菜のアブラムシの駆除に用いられる。商品名は「ベストガード」や、複合剤として「ウォンテッド」がある。

動物薬 編集

イヌネコに経口投与しノミを駆除する。投与後およそ30分で効果がはじまり、4時間以内にノミの成虫、卵、幼虫を全滅させる。効果の持続時間は24~48時間。長期的な防除より、大発生した際の迅速な駆除に適する。日本での商品名には「プログラムA錠」があったが、今は使われていない。

安全性 編集

原体の半数致死量(LD50)はラットへの経口投与で雄1,680mg/kg、雌1,575mg/kg。ラットへの経皮投与で2,000mg/kg以上[3]一日摂取許容量(ADI)は0.53mg/kg/day。茶の10ppmをはじめ15の作物で0.2ppm~10ppm以下の残留基準が定められている[4]

脚注 編集

参考文献 編集

  • 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044