ニューヨーク市地下鉄R188電車

ニューヨーク市地下鉄R188電車ニューヨーク市地下鉄Aディヴィジョン英語版向けニュー・テクノロジー・トレイン英語版(NTT)である。ニューヨーク市地下鉄7系統からR62Aを撤退させてIRTフラッシング線信号自動化英語版を図るため導入された。R188 はニューヨーク市地下鉄の第四・第五世代にあたる車両で、第四世代の R142A は R188 の増備に伴ってその多くが R188 に改造されている。

R188
営業運転初日に7号線52丁目駅を発車するR188型電車
営業運転初日に7号線52丁目駅を発車するR188型電車
基本情報
製造所 川崎重工業車両カンパニー
主要諸元
最高運転速度 89km/h
車両定員 176人(A車)
188人(B車・C車)
自重 33,363kg (A車)
30,718kg (B車・C車)
全長 15,645mm
全幅 3,624mm
全高 2,621mm
主電動機出力 112kW×4 (A車)
112KW×2 (B車/C車)
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目次

導入日程および編成の組成編集

計画時点 A車・B車の新製数 C車の新製数 改造数
合計 合計 合計
基本契約 オプション契約 基本契約 オプション契約 基本契約 オプション契約
発注時点[1] 140 46 320
(改造131+改造キット189)[note 1]
10 130 3 43 20 300
2010年–2014年 投資計画[2] 100 46 360
20 80 3 43 10 350
計画修正後[3] 80 46 380
20 60 3 43 10 370

R188 の発注時点では、11両編成 40本の R62A が7号線での運用に就いていた。発注時点では新製186両、CBTC 対応済みの R142A からの改造131両と R142A 改造キット 189両分の合計506両(11両編成 46本)が導入される予定であった。また、5両編成と6両編成を連結して11両編成を構成することとされた[1]。予備編成6本は CBTC 導入と7系統の延伸に合わせて発注された。

2010年から2014年の投資計画では、146両の新製車を導入し、このうち110両(A車・B車100両+C車10両)で11両編成10本を組成し、C車の残り36両は既存の CBTC 対応済み R142A(360両在籍)の5両編成 36本に組み込んで6両編成を組成するのに使われた。これで当初計画の11両編成 46本を確保する予定であった[2]

しかし、最新の計画では11両編成 10本の代わりに11両編成 8本(A車・B車 80両+C車 8両)とC車 38両を新製するように改められ、これに合わせて改造車は370両に増やされている。これは IRT 本線で必要な R62A は10両編成 2本だけになることが分かったためで、MTA と川崎重工業はこれに充当する5両編成 4本の代替分として R188 の11両編成 2本を新製する代わりに R142A の改造分を追加することで合意した。同時に、MTA は契約変更に合わせて R142A の改造を207丁目の自社工場ではなくすべて川崎重工業のヨンカース工場で行うことにした。これにより、川崎重工業は改造キット186両分ではなく改造車186両を納入することになった[3]

契約編集

 
IRTダイアー・アベニュー線 ガン・ヒル・ロード駅で試験中のR188
 
R188 の行先表示
 
R188 の内装

R188 の製造は川崎重工業車両カンパニーが2010年春に受注した。ニューヨーク市地下鉄向け車両の入札資格を持つのは同社を含めて2社しかなく、もう1社のボンバルディア・トランスポーテーションは発注数の割に工数がかかり過ぎるとして入札に参加しなかった。契約総額は4億7140万9440ドルで、内訳は新製 23両・改造 10両の合計33両を製造する基本契約が8709万4272ドル、新製 123両と改造 350両を製造するオプション契約が3億8431万5168ドルであった。

2012年2月の見直しで、MTA は7系統延伸計画の営業運転開始時点で改造車 8編成を投入することを予定していた。また、編成の詳細についても明らかになり、R188 は A-C-B-B-A の5両固定編成と A-B-B-B-C-A の6両固定編成を連結して11両編成を組むこととされた。38両の R142A B車は R188 C車に改造され、さらに38両のC車が新製された(新製車のみで組まれた11両編成 8本にはC車は組み込まれていない)[4]

営業運転編集

基本契約分の R142A からの改造車10両(車番:7211-7220)は2011年12月に川崎重工業ヨンカース工場で竣工し、試験のため2012年にフラッシング線に搬入された。基本契約の新製車23両(車番:7811-7832および7899(改造車編成組み込み用C車))は2012年中ごろに竣工し、2013年11月に納入されて同年12月から運用に入った。オプション契約の新製車66両(車番:7833-7898)も2012年半ばに納入され、残りの新製車37両と改造車370両は2014年2月から2015年第4四半期にかけて納入される予定であった[5][6]。2014年7月には6-7か月の納期遅れが発生し、納入完了は2016年7月予定とされた[7]

2013年11月9日に最初の編成(車番:7811-7821)が7号線で30日間の営業受入試験に入った[8]。試験は無事終了し、2013年12月15日に営業運転に入った。2015年11月23日現在、新製車 8編成と改造車 27編成の合計35編成が受領済みである[7]

R188 の車内アナウンスは最初 アニー・ベルゲン が担当していた。これは R142 と R142A 向けの録音アナウンスから制作されたものであった。その後、キャサリン・コーデリーとカスリーン・キャンピオン(それぞれ R143R160 のアナウンスを担当)を起用して録音しなおされた。ベルゲンの録音も新しい録音と組み合わせてまだ使われている。R142 や R142A には従来のLED/液晶表示プログラムや録音が残されているが、使われることはない。

R142A と R188 の差異編集

R142A と R188 の相違点はほとんどなく、外観や走行音まで同じである。

  • R188 の先頭車の運転台右側背面には CBTC の装置箱が設置されている。客席から見える位置にあり、装置箱がない R142A との識別は容易である。また、運転台の背面に取り付けられていた跳ね上げ式の補助席は CBTC 設置のため廃止されている。
  • R188 には5両編成と6両編成がある。一方、R142A は5両編成しかない。
  • R188 新製車の車番標記には R160 と同様のヘルベチカ・ボールド体が使われている。

関連項目編集

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  1. ^ 既存の CBTC 対応済み R142A からの改造分131両と189両分の改造キットの合計。473両のオプション契約の内訳は新製163両、改造124両、改造キット186両分。

脚注編集

外部リンク編集