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ノンマルト特撮テレビ番組ウルトラセブン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の存在。別名は地球原人[注釈 1]。英字表記はNONMALT[3][4][5]

目次

『ウルトラセブン』に登場するノンマルト編集

ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」に登場。

現代の人類の登場以前に地球で栄えていたが、彼らの侵略によって海底に住処を追われた知的生命体。性格は好戦的でなく戦闘能力も高くないが、レーザー銃を武器にしている。海底で平和に暮らしていたが、海底にまで人類の魔の手(開発)が伸びてきたことを悟り、海底開発中だったシーホース号を爆破すると、イギリス原子力潜水艦グローリア号を奪取して地上を攻撃し、さらにガイロスを使って船舶を襲わせる。「人間は侵略者」という主張と人類側の海洋開発とは相容れず、ガイロスはウルトラセブンに倒されたうえ、ウルトラ警備隊の反撃に遭ってグローリア号や海底都市も破壊された。

M78星雲では地球人を「ノンマルト」と呼ぶが、これが文字通り「ノンマルト」のことを指すのか、「現代の人類」のことを指すのかは劇中では謎のままだった。

劇中では、モロボシ・ダンやアンヌ隊員に真市少年がノンマルトの動向を何度も警告するが、真市は2年前に海で事故死しており、2人の前に現れた真市の正体も明確にされていない[注釈 3]

  • ノンマルトの語源は、戦いの神マルスに、否定形のノンを付け加えたもの[14][9]。監督を務めた満田かずほは「『ノンマルト』の語源は脚本を担当した金城哲夫が以前読んだSF小説にある。その中で地球のことを『ノンマルス』(“マルス”はマーズ〈火星〉)と言っており、『火星ではない星』という意味らしいが、そのままでは使えないから『ノンマルト』にした。金城の造語である」と説明している[15][16]。書籍『ウルトラセブンイズム』では、軍神マルスを否定することで好戦的でない民族を意味したネーミングであると解説している[14]
  • ノンマルトの設定は、金城と満田の飲み屋での会話に端を発している[17][9][16]。金城は沖縄出身であり、ノンマルトに仮託して沖縄と本土(大和民族)との関係を作中に忍ばせたのではないかとする見解が存在している[18][17][9][19]。しかし、当時の関係者はこれを否定しており、このエピソードはむしろ『ウルトラQ』の企画時タイトルとしても用いられた「アンバランス」の世界を表現したかったと言及している[注釈 4][21][20][22][16][23]。後年発売された書籍『ウルトラセブン完全解析ファイル』では、先住民族問題に関連付けるのは深読みに過ぎず、善悪逆転の可能性の示唆が発想の原点であったとの見解が定着してきていると記述しているが[2]、一方で沖縄問題との関連性を指摘した1人である評論家の切通理作は同書の寄稿で当時の人々の現実に根ざしたものではないとする同書の見解について否定的な見解を述べている[22]。映画研究家の白石雅彦は、沖縄問題とは無関係との見解を示しながらも、作品内容は社会派でありそのような解釈が生じたのも当然であろうと評している[16]
  • 着ぐるみは高山良策により頭部のみが3体分造られ、胴体には既存のタイツを使用している[24][9]

『ウルトラセブン1999最終章6部作』に登場するノンマルト編集

特撮ビデオ作品『ウルトラセブン1999最終章6部作』第6話「わたしは地球人」に登場。

自らを地球の先住民族と称する女性として登場。ノンマルトは現在の地球人によって滅ぼされたと主張し、セブンにその事実を宇宙に告発せよと迫ったうえ、地球防衛軍の保管するノンマルト攻撃の情報が納められているオメガファイルの公開を求めて怪獣ザバンギを出現させる。しかし、オメガファイルが公開されると「今更滅ぼされた同胞は帰ってこない」と態度を一変させ、ザバンギにより電波研究所を破壊して地球人がオメガファイルを開示した証拠を消そうとする。最後は、ザバンギを倒したセブンに「いまや宇宙のすべての知的生命体がお前の敵になった」と辛辣な言葉を浴びせて消える。

  • 出演:渡辺典子
  • 劇中では最後まで人間体のままで、『ウルトラセブン』登場時の姿になることはない。
  • 小説版『ウルトラセブン EPISODE:0』ではダン(セブン)の記憶から若い頃のアンヌの姿をとって彼に接触するが、姿だけ真似たはずのアンヌの意識に取り込まれ、地球人に対する恨みと自分を置いて去ったダンへの女としての愛憎の入り混じった情念が混じり合い、暴走する。最終的には女としての情念が勝り、激昂してザバンギに「美しい物を全て破壊しろ」と命令するが、主人の命令を忠実に遂行したザバンギに攻撃を受け、その身を焼かれて死亡する。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 書籍『ウルトラ怪獣大全集』では海底人[1]、書籍『ウルトラセブン完全解析ファイル』では海底原人[2]と記述している。
  2. ^ 書籍『ウルトラ怪獣大全集』では「不明」[1]、書籍『ウルトラマン大辞典』では「海底都市」[6]、書籍『ウルトラセブン研究読本』では「海底」[11]と記述している。
  3. ^ ナレーションでも疑問形で語られている。しかしわ脚本では真市の霊がノンマルトの使者として現れたと断定するダンの台詞が存在した[13]
  4. ^ 2011年1月1日にBS日テレで放送された『徹底検証! ぼくらのウルトラマン伝説 〜昭和のヒーロー「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」誕生秘話〜』に出演したひし美ゆり子上原正三満田かずほらの発言[20]

出典編集

  1. ^ a b c d ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 28
  2. ^ a b 完全解析ファイル 2017, pp. 70-71, 「第42話 ノンマルトの使者」
  3. ^ a b c d 白書 1982, p. 55, 「ウルトラセブン 怪獣リスト」
  4. ^ a b c d ベストブック 1993, p. 83
  5. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 76
  6. ^ a b c 大辞典 2001, p. 248
  7. ^ a b c d ウルトラセブンイズム 2002, p. 109, 「ウルトラセブン宇宙人・怪獣大図鑑」
  8. ^ a b ウルトラ怪獣列伝 2008, pp. 290-291, 「地球の先住者を自認する謎の海の民」
  9. ^ a b c d e f g 常識 2012, pp. 112-113, 「ノンマルト」
  10. ^ a b キャラクター大全ウルトラセブン 2012, pp. 114-115, 「第42話 ノンマルトの使者」
  11. ^ a b c ウルトラセブン研究読本 2012, p. 226, 「ウルトラセブン 宇宙人・怪獣大図鑑」
  12. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 32
  13. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, pp. 192 - 193, 「エピソードガイド第42話」.
  14. ^ a b ウルトラセブンイズム 2002, p. 80.
  15. ^ 報知新聞2012年6月27日刊『ウルトラセブン45周年・ウルトラセブンを創った人たち』より。
  16. ^ a b c d 白石雅彦 2017, pp. 355-369, 「第四部・ウルトラセブンの帰還 シリーズ延長のイベント編」
  17. ^ a b 99の謎 1993, pp. 165-168, 「64 正義のヒーローが善悪の中間に立たされると?」
  18. ^ 映画宝島 1992, pp. 69-86, 切通理作「怪獣世代の力作評論2万字!3 ウルトラマンにとっての「正義」とは何か? 金城哲夫・上原正三・市川森一それぞれの怪獣、それぞれの正義」
  19. ^ 鈴木美潮「第一章 巨大化したヒーロー」『昭和特撮文化概論 ヒーローたちの戦いは報われたか』集英社集英社文庫〉、2019年3月25日、40-42頁。ISBN 978-4-08-745854-1
  20. ^ a b 神谷和宏「第1章 「正義」と「ウルトラマン」 正しさを疑う」『ウルトラマンと「正義」の話をしよう』朝日新聞出版、2011年7月30日、31-32頁。ISBN 978-4-02-330958-6
  21. ^ 映画宝島 1992, pp. 62-68, 會川昇「金城哲夫をさがして 沖縄に消えたウルトラの星」
  22. ^ a b 完全解析ファイル 2017, p. 75, 「My favorite SEVEN EPISODE 09 切通理作
  23. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, pp. 10-11、192-193.
  24. ^ 白書 1982, p. 106, 「高山良策怪獣造型写真集」.
  25. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 223

参考文献編集

関連項目編集