バンザイ (競走馬)

競走馬

バンザイ日本競走馬種牡馬1920年代に競走生活を過ごし、1924年の春季帝室御賞典目黒)、秋季優勝内国産馬連合競走(連合二哩・目黒)などに優勝した。

バンザイ
Banzai (racehorse), 1930.jpg
品種 サラブレッド系種
性別
毛色 鹿毛
生誕 1921年
死没 1936年以降
ダイヤモンドウェッディング
宝永
生国 日本の旗 日本栃木県
生産 千本松農場
馬主 アラタ(松方嚴
調教師 仲住与之助(横浜
競走成績
生涯成績 13戦11勝
獲得賞金 1万3633円
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半姉妹(異父姉妹)に1923年の春季帝室御賞典優勝馬ピューアゴウルド1925年の秋季御賞典優勝馬カーネーション(ともに父ガロン)、全弟に1926年秋季御賞典優勝馬コウエイがいる。

経歴編集

十五銀行頭取公爵松方嚴が所有する千本松農場で生産される。父ダイヤモンドウェッディングは当時の名種牡馬の1頭、母・宝永はオーストラリアからの輸入馬で、血統不詳のサラブレッド系種であった。

3歳となった1924年横浜競馬場の仲住与之助の元に入厩し、4月26日、東京開催初日の新呼馬戦でデビュー。距離1マイル1/8(約 1811m)を1分57秒37というレコードタイムで優勝すると、翌日に迎えた帝室御賞典では、エミグランドに3馬身差を付け、前日自身が記録したレコードを4秒近く短縮する1分53秒71で優勝した。このタイムは従来の日本レコード1分56秒00を遙かに上回るものであり、計測ミスではないかとの声も上がった。しかし正式にレコードと認定され、1928年メートル法が採用されるまで終に破られなかった。翌週の開催最終日も制し、3連勝で春季開催を終える。

秋は関西へ遠征する。地元一般紙にも取り上げられるなど注目を集めたが、開催初日にオーキッドにハナ差で敗れ、初の敗戦を喫する。2日目には優勝したが、この開催のメイン競走であった阪神連合二哩には出走せず、最終日の呼馬優勝戦を制して関東に戻った。松方の所有馬で阪神に遠征したものはバンザイが唯一であり、連合二哩に出走しなかったこともあり、遠征の真意を図りかねるという声もあった。その後は、秋季東京開催初日、この翌日帝室御賞典に優勝する牝馬フロラーカップ)に2馬身差で勝利、3日の目黒連合二哩でラレードに8馬身差を付けて優勝し、この年のシーズンを終えた。

1925年は、5月の東京春季開催2日目、4日目を連勝。秋季開催では、2日目に史上初めて行われた2マイル1/8(約3400m)という距離でラシカッターに4馬身差で敗れ、生涯2度目の敗戦となった。しかし続く3日目には、阪神で敗れたオーキッドに3馬身差を付け雪辱を果たすと、最終日には2週間前に横浜帝室御賞典に優勝したラレードに4馬身半の差を付けて優勝。これを最後に競走馬を引退した。

引退後、政府購買馬の第一号として農林省に1万円で買いあげられ、岩手県で種牡馬となったが、特殊競走優勝馬を出した姉ピューアゴウルドや、東京優駿(日本ダービー)優勝馬スゲヌマの母となった妹のカーネーションと比べ、目立った成績は残さなかった。1936年に売却され、以後不明である。しかし1920年代を代表する名馬の1頭として、2000年には日本中央競馬会 (JRA) が選出した「20世紀のベストホース100」に名を連ねている。

競走成績編集

年月日 レース名 頭数 着順 距離 タイム 騎手 勝ち馬/(2着馬)
1924 4. 26 目黒 新呼馬 2 1着 芝1 1/8M R1:57.37 杉浦照 (ラレード)
4. 27 目黒 帝室御賞典(春) 5 1着 芝1 1/8M R1:53.71 杉浦照 エミグランド
5. 4 目黒 新呼馬優勝 2 1着 芝1 1/4M 2:13.60 杉浦照 (ラレード)
10. 4 鳴尾 呼馬 9 2着 芝1 1/4M 2:06.99 杉浦照 オーキッド
10. 5 鳴尾 呼馬 2 1着 芝1 1/8M 1:57.45 杉浦照 (カツタマ)
10. 12 鳴尾 呼馬優勝 2 1着 芝1 1/2M 2:37.71 杉浦照 (オーキッド)
11. 15 目黒 呼馬 7 1着 芝1 1/8M 1:57.69 杉浦照 フロラーカップ
11. 22 目黒 優勝内国産馬連合競走 2 1着 芝2M 3:41.93 杉浦照 (ラレード)
1925 5. 10 目黒 呼馬 9 1着 芝1 1/4M 2:13.49 杉浦照 (パアスプラウド)
5. 17 目黒 呼馬優勝 4 1着 芝1 3/4M 3:20.51 杉浦照 (ゴールドウイング)
11. 24 目黒 混合呼馬 5 2着 芝2 1/8M 3:57.49 杉浦照 ラシカッター
11. 28 目黒 呼馬ハンデキャップ 4 1着 芝1 1/4M 2:12.74 杉浦照 (オーキッド)
11. 29 目黒 呼馬優勝 4 1着 芝1 1/2M 2:45.07 杉浦照 (ラレード)

血統編集

バンザイ血統セントサイモン系 (血統表の出典)

*ダイヤモンドウェッディング
Diamond Wedding 1905
鹿毛 イギリス
父の父
Diamond Jubilee 1854
黒鹿毛 イギリス
St. Simon Galopin
St. Angela
Perdita II Hampton
Hermione
父の母
Wedlock 1884
栗毛 イギリス
Wenlock Lord Clifden
Mineral
Cybele Marsyas
Maid of Palmyra

*宝永 1907
鹿毛 オーストラリア
Loombah 1900
オーストラリア
(不詳) (不詳)
(不詳)
(不詳) (不詳)
(不詳)
母の母
Appearance
オーストラリア
(不詳) (不詳)
(不詳)
(不詳) (不詳)
(不詳)

母・宝永は公式には血統不詳であるが、1914年の春季帝室御賞典(阪神)に優勝した、父Loombah、母Appearanceの豪州産牝馬「ホーエイ」と同一視されており、実際にこの推定を元に血統表が作成された資料もある。なお、上記血統表は笠雄二郎『日本サラブレッド配合史』8頁のバンザイの血統表を参考とした。

主な近親編集

  • スゲヌマ(甥 - 東京優駿、帝室御賞典(春)、横浜特別
  • ピュアソール(姪 - 東京農林省賞典)

参考文献編集

  • 白井透編『日本の名馬』(サラブレッド血統センター、1971年)
  • 中央競馬ピーアール・センター編『日本の名馬・名勝負物語』(中央競馬ピーアール・センター、1980年)