ヒートシンク
概要編集
主に、伝熱特性の良いアルミニウム、鉄、銅などの金属が材料として用いられることが多い。その用途により、大きさ・形状も、千差万別であり、小さいものは数mmから、大きなものは数百メートル程度まである。
ヒートシンクの性能は、熱抵抗によって表され、一般的用途においては熱抵抗が小さいものほど性能が高い。熱抵抗は、ヒートシンクの材質、大きさ、形状などによって決まり、ヒートシンクの性能を上げるために表面積が広くなるような形状(一般的にはフィンと呼ばれる板や棒の生えた剣山状や蛇腹状)に成型されることが多い。
放熱・吸熱量を増大させる目的で、ファンを取り付ける場合がある。
用途編集
特殊なヒートシンク編集
近年のハイブリッドカーなど高出力モーター制御用のパワートランジスタは、発熱量が多く100℃を越す高温になるため、ヒートシンク自体の冷却性能に加えて、発熱する半導体からヒートシンクまで低熱抵抗であることが必要とされる。そのため絶縁体には窒化アルミニウムや窒化ケイ素などの熱伝導率の高いセラミック部材が用いられている。またヒートシンクとの熱膨張差による絶縁体や半導体やハンダの破壊防止のため放熱板には熱膨張係数が半導体に近い銅モリブデン合金やアルミ-炭化ケイ素複合体が用いられる。
参考文献編集
- 小木曽健 『電子回路の熱設計』 工業調査会、1989年、ISBN 4769310781