数学において、ビアンキ群 (Bianchi group) は

という形のである。ただし d平方因子を持たない正の整数である。PSL射影特殊線型群を表し、虚二次体 Q(d)整数環である。

この群は、最初に Bianchi (1892) により、今ではクライン群英語版と呼ばれている PSL2(C)離散部分群の自然なクラスとして、研究された。

PSL2(C) の部分群として、ビアンキ群は、3次元双曲空間英語版 H3向き付けを保つ等長変換として作用する。商空間 は有限の体積を持つ非コンパクトな双曲的 3 次元多様体であり、ビアンキ多様体とも呼ばれる。基礎体 Q(d)デデキントゼータ函数を用いた体積の正確な公式は、アンベル英語版 (Humbert) により次のように計算された。DQ(d)判別式英語版とし、H への不連続な作用とすると、

となる。Md のカスプ全体の集合は、Q(d)類群全単射の対応がつく。任意の非コンパクトな数論的クライン群は、ビアンキ群と弱通約的 (weakly commensurable) であることがよく知られている[1]

脚注 編集

参考文献 編集

外部リンク 編集