ヴィスワ川
ヴィスワ川(ポーランド語: Wisła [ˈvʲiswa] ( 音声ファイル)、英語: Vistula)は、ポーランドで最長の川である。全長は1,047km、流域面積はポーランド国土の60%以上におよぶ。ポーランド南部のベスキディ山脈(ベスキト・シロンスク山脈のバラニャ山)の標高1,106m地点に源を発し、ポーランド国内を大きく蛇行しながら北へ流れ、バルト海のグダニスク湾へと注ぐ。
ヴィスワ川 | |
---|---|
延長 | 1,047 km |
平均流量 | 1,054 m3/s |
流域面積 | 194,424 km2 |
水源 | ベスキト・シロンスク山脈(ベスキディ山脈) |
水源の標高 | 1,106 m |
河口・合流先 | ヴィストゥラ潟(バルト海、グダニスク湾) |
流域 | ポーランド |
ヴィスワの名前は、紀元前77年に記された大プリニウスの「博物誌」にも登場する。古くはラテン語で「ウィストゥラ川 」[1]など、ポーランド語で「ヴァンダルス川」[2]などと呼ばれていた。これらの語は非常に古いもので、スラヴ語やゲルマン語などが成立する前にそれらのヨーロッパ言語の共通祖語として存在した後期インド・ヨーロッパ祖語(球状アンフォラ文化の時代)を起源とし、語幹は「水」を意味する(例:スラヴ語派のポーランド語でヴォダ[3]、バルト語派のリトアニア語でヴォダ[4])。ローマ時代に一大勢力としてこの一帯に住んでいた古代部族「ヴァンダル族」[5](別名「ルーク族」[6])の名称はここから来たと推測される。おそらく「ヴァンダル」はラテン語での他称で、「ルーク」が現地語での自称に由来していたと思われる。ポーランドでは15世紀ごろまで「Alba aqua」[7]という、ラテン語での別称ないし愛称も定着していた。ドイツ語ではヴァイクセル川(Weichsel [ˈva͜iksl̩])、英語ではヴィスチュラ川(Vistula [ˈvɪstjʊlə])と呼ぶ。
ヴィスワ川は、大きく3つの区間に分けることができる。
河口にはソビエシェフスカ島(ソビエシェヴォ島)があり、一帯はポーランドでサンドイッチアジサシとゼニガタアザラシの唯一の繁殖地で、コアジサシ、アジサシ、ハイイロアザラシの繁殖地でもある。本流のプシェコプ・ヴィスウィ(運河)の河口のメヴィア・ワハ自然保護区および分流のヴィスワ・シミャワ川の河口のプタシ・ライ自然保護区は2015年にラムサール条約登録地となった[8]。
支流
編集下流より記載
- 左岸
- 右岸