ビリューチー島(ビリューチーとう、Byriuchyi Islandウクライナ語: Бирючий Острівウクライナ語発音: [bɪrjʊˈtʃɪj osˈt(j)r(j)iu̯])はアゾフ海北西部に位置する陸繋島で、フェドトヴァ砂州が南に延びた一部である。幅の狭いフェドトヴァ砂州の北部と共に、ビリューチー島はウトリュクスキー潟を東側の海と隔てて形成している。1929年まではフェドトヴァ砂州の北部とは狭い海峡で隔てられており、独立した島だった。

ビリューチ―島
現地名:
Бирючий Острів
ビリューチー島の普段の地平線 地図
ビリューチ―島の位置(ヘルソン州内)
ビリューチ―島
ビリューチ―島
ビリューチ―島の位置(ウクライナ内)
ビリューチ―島
ビリューチ―島
地理
場所 アゾフ海
座標 北緯46度07分59秒 東経35度05分31秒 / 北緯46.133度 東経35.092度 / 46.133; 35.092座標: 北緯46度07分59秒 東経35度05分31秒 / 北緯46.133度 東経35.092度 / 46.133; 35.092
面積 72.32 km2 (27.92 sq mi)
長さ 24 km (14.9 mi)
5 km (3.1 mi)
行政
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ウクライナヘルソン州に属している。島とへルソン州本土との間には陸地の接続はなく、ウトリュクスキー潟に隔てられている。

島の長さは24km、幅は約5kmで、面積は72.32km2である。島の北西と西の岸にはいくつかの浅い入江と河口がある。小型船はほとんどの場合、島の南西端の湾(リバツカ湾およびマヤチナ湾)を利用している。島の西岸と北西岸に沿って、深さ5m未満の大きな浅瀬がある。

自然 編集

 
ビリューチー島の雌のダマジカ

島は沖積型で、砂とコキーナ英語版(貝殻が砕けてできた砂の海岸平野)とで形成されている。海岸沿いには多数の湖がある。いくつかの小さな塩湖と一つの大きな湖であるオレン湖が北岸に沿って伸びている[1]

島では牧草地、沿岸水域、砂草原の風景が見られる。植物相には約700種の植物が含まれている。1970年代から80年代にかけて、232ヘクタールの地域に、ヤナギバグミヨーロッパの白いニレニセアカシアセイヨウトネリコからなる保護樹林が植えられた。環境に順応した約1000頭のアカシカ、2500頭のダマジカ、90頭のアジアノロバや、数十頭の家畜化した馬とムフロンの生息地となっており、適応した鳥類はキジである。

歴史 編集

紀元前10世紀にはビリューチー島の周辺に王族スキタイ人が住んでいた。おそらくこれは、いくつかのスキタイのコインに描かれていた島/砂州そのものである。

2003年9月17日、レオニード・クチマウクライナ大統領と、ウラジーミル・プーチンロシア大統領の会談がこの場所で行われた。 この会談で両首脳はアゾフ海とケルチ海峡の海域における海上の国境線について協議した。

 
ビリューチー現代美術プロジェクトにおけるアーティストの作品

ビリューチー現代美術プロジェクト英語版が2006年にビリューチー島で始動した。新しいプロジェクトのシーズンは毎年開始される。年2回、5月と9月にイベントが催される。

2015年、国際的なパフォーマンスプロジェクトの "1000-km view" が始動した。カタマランに乗った参加者がストリー川英語版からビリューチー島までの1000kmをカバーした。

2015年秋、双子のイタリア人映画監督ジャンルカ&マッシミリアーノ・デ・セリオがこの島で撮影していた[2]。2016年、イタリア人映画監督のジョルジオ・クーニョはウクライナ人俳優ストゥプカ・オスタップ・ボグダノヴィッチを主役として、映画 "XAU" の第4部をここで撮影した[3]

名称 編集

ビリューチー島と言う島の名称は「一匹狼の島」と訳されている(“бирюк” = 一匹狼)。

ビリューチー現代美術プロジェクトの名称に使われている"Byriuchyi" は造語であり、正式な英語表記 "Byruchyi" を変形したものである。この造語は2000年代にプロジェクトの背右折車が作成した。

魅力 編集

ビリューチー島の領域に国立の保護区がある(現在はアゾヴォ=スィヴァスクィー国立自然公園の一部となっている)。保護区は1927年に設立された。

島の南西端にビリューチー灯台がある(1878年に初代が建設された)。

脚注 編集

  1. ^ Кривошей М. Ф., Огульчанский А. Я., Иванченко А. В. Северное Приазовье. Путеводитель. Днепропетровск : Промінь, 1982. Изд. 2-е, доп. С. 44. (ロシア語)
  2. ^ A total installation was made on Byriuchyi Island. Art Ukraine. 2015. (ロシア語)
  3. ^ Weekly review of the Ukrainian press, 20-25 September 2016. Ukraine Crisis Media Center. 2 September 2016. (イタリア語)

文献 編集

  1. Utluk Liman // The Black Sea Encyclopedia / by Sergei R. Grinevetsky, Igor S. Zonn, Sergei S. Zhiltsov, Aleksey N. Kosarev, Andrey G. Kostianoy. [Berlin] : Springer, [2015]. P. 787.