株式会社ビードットメディカル(英:B dot Medical Inc.、BDM)は、江戸川区に本社を置く、陽子線がん治療装置を開発・製造・販売する日本の医療機器メーカー。

株式会社ビードットメディカル
B dot Medical Inc.
種類 株式会社
略称 BDM
本社所在地 日本の旗 日本
134-0003
東京都江戸川区春江町5丁目10-10
北緯35度40分50秒 東経139度52分27秒 / 北緯35.68056度 東経139.87417度 / 35.68056; 139.87417
設立 2017年3月1日
業種 精密機器
法人番号 7040001099179
事業内容 陽子線がん治療装置の製造・販売業
粒子線がん治療に関わるコンサルティング等
代表者 古川卓司(代表取締役社長)
資本金 3,207百万円(資本準備金等含む)
従業員数 64名(2024年3月1日現在)
決算期 毎年3月31日
外部リンク https://bdotmed.co.jp/
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事業概要 編集

陽子線がん治療は、その物性から正常組織へのダメージが少なく、同じ放射線治療の中でも一般に広く普及しているX線治療よりも低侵襲QOLが高いとされている。しかし、従来、陽子線治療には高さ約12メートル(3階建てのビル相当)の巨大な装置が必要であったため、スペースとコストの制約から世界的に普及が進んでいない。

研究者として放射線医学総合研究所(放医研)(現量子科学技術研究開発機構)に所属し、重粒子線治療装置開発や臨床応用の中心的役割を担っていた古川卓司が、2017年に放医研発ベンチャー第一号となる株式会社ビードットメディカルを創業した。当初は日本国内外で粒子線治療装置の導入プロジェクトを支援するコンサルテーション事業を中心としていたが、粒子線治療の普及には装置の小型化が不可欠と考え[1]、超小型陽子線がん治療装置の開発に取り組んだ。試行錯誤を経て、超伝導電磁石を用いて陽子線のビームを制御する「マグネティックガントリー」を発明し、照射装置の高さを従来の約3分の1まで縮小し、2020年5月原理実証に成功した。2023年11月には日本の厚生労働省より医療機器としての薬事承認を取得した。

沿革 編集

2017年 編集

  • 株式会社ビードットメディカル設立 量研機構/放医研ベンチャー認定取得
  • Magnetic Gantry(磁気式ガントリー)の開発を開始

2019年 編集

  • 超小型陽子線がん治療装置開発プロジェクトを公表
  • NEDOの研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援[NEDO-SCA]交付事業者として採択される[2]

2020年 編集

  • 第一種医療機器製造販売業許可取得
  • 令和2年度医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)[AMED]採択[3]

2021年 編集

  • NEDOの2021年度研究開発型スタートアップ支援委事業[NEDO-PCA]交付事業者として採択される[4]

2022年 編集

  • 超小型陽子線がん治療装置の原理実証に成功
  • 超小型陽子線がん治療装置での高速スキャニング照射に成功

2023年 編集

  • 江戸川がんセンター構想実現のための基本契約調印式を開催[5]
  • 超小型がん治療装置の薬事承認を取得

受賞歴 編集

  • 2019年 第18回ベンチャー・カップCHIBA ビジネスプラン発表会 AI賞
  • 2019年 CYBERNICS EXPO C-Startup Pitch 審査員特別賞
  • 2020年 Japan Venture Awards 中小機構理事長賞[6]
  • 2020年 第1回IP BASE AWARD スタートアップ部門 奨励賞[7]
  • 2020年 Healthtech/SUM ピッチコンテスト PwC賞
  • 2022年 令和3年度 技術・ブランド・知的財産ビジネスプランコンテスト グランプリ
  • 2022年 スタートアップワールドカップ2022 ジャパネット賞[8]
  • 2023年 第4回スタ★アトピッチJapan グランプリ[9]
  • 2024年 iFデザインアワード[10]

脚注 編集