フェンホルミン(: phenformin)とはビグアニド類の抗糖尿病薬の1つ。

フェンホルミン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
投与経路 Oral
識別
CAS番号
114-86-3 チェック
ATCコード A10BA01 (WHO)
PubChem CID: 8249
DrugBank DB00914 チェック
ChemSpider 7953 チェック
UNII DD5K7529CE チェック
KEGG D08351  チェック
ChEBI CHEBI:8064 ×
ChEMBL CHEMBL170988 チェック
化学的データ
化学式C10H15N5
分子量205.27 g·mol−1
物理的データ
融点175 - 178 °C (347 - 352 °F)
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概要 編集

グアニジンが血糖降下作用を有することからビグアニドの骨格を持つ糖尿病治療薬が開発され、フェンホルミンは1957年に登場した[1]。しかし、1970年代に致死的な乳酸アシドーシスを引き起こすこと分かり、1977年米国で販売中止となり、その後、日本を含む多くの国で販売中止となり、現在では広く用いられていない[2]。その後は副作用が少ないメトホルミンなどの治療薬が開発された。

2008年現在、フェンホルミンはイタリアブラジルウルグアイ中国ポーランドギリシャポルトガルで合法的に入手可能であり、フェンホルミン誘発性乳酸アシドーシスの症例報告が世界中で続いている[3]

メトホルミンと同様に、フェンホルミンは体重減少を誘導し、2型糖尿病に効果を示すことがあり、このために現在でも関心が持たれている[4]

脚注 編集

  1. ^ 遠藤三紀子「ビグアナイド薬の作用機序と使い方」『JIM』2003年、13巻、7号
  2. ^ Enia G, Garozzo M, Zoccali C (1997). “Lactic acidosis induced by phenformin is still a public health problem in Italy.”. BMJ 315 (7120): 1466–7. PMID 9418116. http://www.bmj.com/cgi/content/full/315/7120/1466. 
  3. ^ “Older age and phenformin therapy: a dangerous association”. Internal and Emergency Medicine 3 (4): 401–3. (December 2008). doi:10.1007/s11739-008-0154-y. PMID 18415028. 
  4. ^ Rosand J, Friedberg J, Yang J (1997). “Fatal phenformin-associated lactic acidosis.”. Ann Intern Med 127 (2): 170. PMID 9230023. http://www.annals.org/cgi/content/full/127/2/170.