フレンテ・アトレティコ

フレンテ・アトレティコ(Frente Atlético)は、1982年に創設されたアトレティコ・マドリードウルトラスのこと。2014年時点での会員総数は約2,500人となっており、スペインサッカー界において最も規模の大きいウルトラスである[1]。メンバーの大半が極右的な思想を持つ[2]

2014年にクラブはフレンテ・アトレティコの追放やシンボルの掲示を禁止したが、現在もスタジアムに姿を現している[3]

歴史 編集

母体となった団体は1968年に組織されたフォンド・スル(Fondo Sur)というグループであり[4]、1982年のフレンテ・アトレティコ創設にあたっては創設メンバーの一部が所属していたファランヘ党の青年組織であるフレンテ・デ・フベントゥデススペイン語版から名前を借りて現在の名称となった。

クラブはフレンテ・アトレティコ創設の際に資金援助などを行っていたが、創設初期には新興勢力を快く思わない他クラブのウルトラスと度々いざこざを引き起こした。

1998年12月8日、アトレティコ・マドリードのホームスタジアムであったエスタディオ・ビセンテ・カルデロンにて観戦に訪れていたレアル・ソシエダのサポーターが刺殺されるという事件が起こった[5]。容疑者となったリカルド・グエラ(Ricardo Guerra)は、フレンテ・アトレティコ内のバスティオン(Bastión)と呼ばれるグループの一員だということがわかり、最終的に容疑者には殺人の罪で禁錮17年の判決が下された[6]

2014年11月30日、ビセンテ・カルデロン付近でデポルティーボ・ラ・コルーニャのウルトラスと激しい衝突を引き起こし、デポルティーボ側のウルトラスのメンバー一人に暴行を加えた後にスタジアム近くを流れるマンサナーレス川へ被害者を投げ込み、溺死させた[7]。この事件を起因としてアトレティコ・マドリードは2014年12月2日、フレンテ・アトレティコをクラブから追放することを表明した[8]。また、この一連の衝突では両方のウルトラスを合わせて75人が起訴され、それぞれ300から1,350ユーロの罰金刑を課された[9]。これ以降目立った傷害事件は減少していったが、現在もスタジアムの南スタンドをフレンテ・アトレティコが占拠しており、過激な言動やメッセージを発信している[10]

脚注 編集

  1. ^ El mapa ultra de España”. El País (2016年5月2日). 2023年2月7日閲覧。
  2. ^ Ultras Sur, Frente Atlético y otros 12 grupos radicales se darán cita el sábado en Alcorcón” (スペイン語). ABC. 2023年2月7日閲覧。
  3. ^ «Club Atlético de Madrid - El Atlético de Madrid expulsa al Frente Atlético»” (スペイン語). Club Atlético de Madrid. 2023年2月7日閲覧。
  4. ^ El Atleti prohíbe banderas y simbología del Frente Atlético” (スペイン語). 2023年2月7日閲覧。
  5. ^ Un seguidor de la Real muere tras ser apuñalado junto al Vicente Calderón.” (スペイン語). EL Pais. 2023年2月7日閲覧。
  6. ^ El asesinato de Aitor Zabaleta en 1998, un triste precedente de la violencia ultra” (スペイン語). ABC. 2023年2月7日閲覧。
  7. ^ Muere el aficionado herido en la pelea entre ultras del Atlético y el Deportivo” (スペイン語). Lainformación.com. 2023年2月7日閲覧。
  8. ^ Gil Marín: "Vamos a expulsar al Frente Atlético del Calderón"” (スペイン語). AS. 2023年2月7日閲覧。
  9. ^ Los miembros del Frente Atlético que mataron a 'Jimmy' escapan, de momento, con una multa”. 2023年2月7日閲覧。
  10. ^ Cerco a los más violentos del Frente Atlético”. 2023年2月7日閲覧。

外部リンク 編集