数学の特にフラクタル次元にかかわる分野におけるフロストマンの補題 (: Frostman's lemma)は集合のハウスドルフ次元を評価する使いやすい道具を提供する。

命題 (フロストマンの補題)
ARnボレル集合s > 0 とすれば、以下は同値:
  1. s-次元ハウスドルフ測度英語版Hs(A) > 0.
  2. (非負値)ボレル測度 μ が存在して、μ(A) > 0 かつ
    が成り立つ。

オットー・フロストマン英語版は、1935年にルンド大学における博士論文の一部として、この補題を A が閉集合である場合を仮定して証明した。これをボレル集合に対するものに一般化することはより複雑な問題で、ススリン集合英語版の理論を必要とする。

フロストマンの補題の有用な系として、ボレル集合 ARns-次元容積(内測度、: s-capacity

(ここで inf ∅ = ∞ および 1 = 0 と約束する。また上と同様 μ は非負値ボレル測度とする)を用いた以下のようなものがある:
系 (ハウスドルフ次元の特徴付け)
ARn に対しそのハウスドルフ次元 dimH(A)
として求められる。

参考文献 編集

  • Mattila, Pertti (1995), Geometry of sets and measures in Euclidean spaces, Cambridge Studies in Advanced Mathematics, 44, Cambridge University Press, ISBN 978-0-521-65595-8, MR1333890