ベルジアン・グリフォン

ベルジアン・グリフォン(英:Belgian Griffon)は、ベルギー原産の犬種のひとつである。別名はベルギー・グリフォン

ブリュッセル・グリフォンの色違い種である。

歴史 編集

もともとはブリュッセル・グリフォンと同一犬種として扱われていたが、1880年代に別犬種として扱われるようになった。本種も一時的な貴族による短吻種ブームによりパグキング・チャールズ・スパニエルなどの血が導入されてマズルが潰され、この姿になった。

主にネズミを狩るためと、愛玩のために飼育されていた。貴族にはやはりブリュッセル・グリフォンと同じく寵愛を受け、非常に大切にされてきた。

現在でもベルギーでは人気のある犬種であるが、あまり他の国では飼育されていない。然し日本ではブリーディングが行われていて、ブリーダーなどから販売されている。2009年度の日本の国内登録頭数順位は134位中82位であった。

尚、ベルジアン・グリフォンとブリュッセル・グリフォン、及び短毛種のプチ・ブラバンソンはそれぞれ別の犬種としてFCIに公認登録されているが、ケネルクラブによって公認の扱い方が異なっている。3犬種をすべて同じ犬種のバリエーションとして公認していたり、ベルジアンとブリュッセルを同一犬種、ブラバンソンを別犬種として公認しているケネルもある。

特徴 編集

ブリュッセルとの大きな違いは、コートの色と、体重などの上下限の違いなどである。マズルはつぶれていて、ぼさぼさとした口髭顎鬚眉毛が生えている。コートは硬いラフコートで、毛色はブラック・アンド・タン。ベースカラーはブラックで、目の上やマズル、胸部や腹部などにタンのマーキングが入る。耳はボタン耳、尾は垂れ尾だが、耳は短めに断耳して立たせ、尾もかなり短く断尾することもある。体高18〜20cm、体重2.5〜5.5kgの小型犬で、性格は明るく知的だが、警戒心が強く見知らぬ人には激しく吠え立てる。主人家族には従順で人懐こい。運動量は少なめだが、寝ている際に大きないびきをかく。かかりやすい病気は心疾患軟口蓋過長症口蓋裂窒息熱中症尿路疾患関節疾患疾患などがある。

尚、ブリュッセル・グリフォンと同じく、ブリーディングが最も難しい犬種のひとつである。この点の詳細はブリュッセル・グリフォン#歴史を参照すること。

参考文献 編集

  • 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2010』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著

関連項目 編集