ペルセポリスから飛鳥へ

松本清張の著作

ペルセポリスから飛鳥へ』(ペルセポリスからあすかへ)は、小説家の松本清張による著作。1979年5月に日本放送出版協会から書き下ろし刊行された。

ペルセポリス宮殿跡の柱
猿石(奈良県明日香村

イランに遺された文物や遺跡をたどりつつ、古代ペルシアと日本の飛鳥時代の文化的関連を考察した作品であり、小説『火の路』(1975年刊行)の続編的内容の著作である。

内容 編集

  • 前半は紀行の形式で書かれ(取材は1978年9月に行われた)、後半は著者による推論が展開されている。
  1. 旅の章 I
    古都レイ / ハリメジャンへの道 / エルブルズ山脈越え
    • テヘラン周辺の遺跡をめぐり、また東京大学イラク・イラン調査隊の発掘結果をふまえつつ、推論を展開。
  2. 旅の章 II
    シラーズ行き / ナクシュ・イ・ルスタム / イスファハンからイェズドへ / ゾロアスター教の聖地イェズド
    • パサルガダエやナクシュ・イ・ルスタム、イスファハン、イェズドなどをめぐり、アケメネス諸王の墓や摩崖横穴墓、拝火壇等の遺跡に関する推論を展開。
  3. 考察の章

参考文献 編集

  • 本作は『火の路』に加え、『清張通史』・『眩人』など、著者の他の古代史関連著作と内容的連絡を持っている。
  • 『松本清張全集 第55巻』(1984年、文藝春秋)巻末に、歴史学者の門脇禎二による解説が付され、本作の推論部分の評価に関して触れられている。