ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド

ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』 (Whistle Down the Wind) は、1996年アメリカ合衆国ミュージカル作品。作曲はアンドリュー・ロイド・ウェッバー、脚本はロイド・ウェッバーとパトリック・ノップ、作詞ジム・スタインマン。1959年に発表されたメアリー・ヘイリー・ベルの小説、およびこれを基に1961年に製作された映画『汚れなき瞳英語版』を題材としている。

ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド
作曲 アンドルー・ロイド・ウェバー
作詞 ジム・スタインマン
脚本 パトリック・ノップ
アンドルー・ロイド・ウェバー
ゲイル・エドワーズ
原作 『汚れなき瞳』
上演 1996年 ナショナル・シアター(ワシントンD.C.
1998年 ウェスト・エンド・シアター
2001年 英国ツアー
2006年 ウェスト・エンド再演
2007年 米国ツアー
2010年 英国ツアー
2020年 日生劇場
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1996年にワシントンD.C.のナショナル・シアターでプレビュー公演が行われ、1998年にはコンセプト・アルバムが発売された。同年にウェスト・エンド公演も行われ、数回にわたりリバイバル上演がなされている。

日本では、2020年に三浦春馬生田絵梨花主演で日生劇場を皮切りに全国でのツアー公演が計画されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、地方公演は中止、日生劇場での本公演もわずか10公演のみで閉幕した。

歴史 編集

米国プレビュー公演 編集

プレビュー公演はアメリカの首都ワシントンD.C.のナショナル・シアターで、1996年12月12日より行われた。しかし、劇評はそのほとんどがネガティブな反応で、翌年に計画されていたブロードウェイ公演が急遽中止になるほどであった。

ワシントン・ポスト』紙では、「実に退屈である。スタインマンとウェバーの異なるスタイルが互いに高め合うことを期待していたが、実際は互いを打ち消し合うだけとなった。ハロルド・プリンスはその高い演出力で、原作の質を保持しようとしていた。装置デザインのアンドリュー・ジャックネスも驚くべきステージングを生み出している。[1]」と酷評されている。

ウェスト・エンド公演 編集

ウェスト・エンド公演は1998年に開幕し、1,044回の公演を重ね、2001年に閉幕した。また、この公演のCDも発売されている[2]

その他のプロダクション 編集

日本では、劇団四季浅利慶太が総合演出を務めた1998年長野オリンピック開会式で、楽曲の1部をメドレーにした「明日こそ、子供たちが…When Children Rule the World」が森山良子と子供たちにより披露された。

正式な全幕日本初演は、2020年3月に白井晃演出、小林香訳詞により、『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 〜汚れなき瞳〜』のタイトルで、男(ザ・マン)に三浦春馬、スワローに生田絵梨花を配役した公演[3][4]日生劇場公演および富山、福岡、愛知、大阪での公演が計画されていたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、日生劇場公演は10公演のみ行われ、地方公演は中止となった。また、同年7月に急逝した三浦春馬にとっては最後の舞台出演となった。

メインキャスト 編集

ウェスト・エンド公演[2] 日本初演[3]
男(ザ・マン) Marcus Lovett 三浦春馬
スワロー Lottie Mayor 生田絵梨花
エイモス Dean Collinson 平間壮一 東啓介
キャンディ Veronica Hart 鈴木瑛美子 MARIA-E
ブーン James Graeme 福井晶一
ブラット Danielle Calvert Ashley Andrews 高原碧那 谷岡杏春
プアベイビー Ricki Cuttell Dean Clish 井伊巧 岡本拓真

脚注 編集

  1. ^ Harris, Paul (1996年12月22日). “Whistle Down the Wind” (英語). Variety. 2021年6月21日閲覧。
  2. ^ a b Lloyd Webber's Whistle Down the Wind Closes in London, Jan. 6” (英語). Playbill (Sat Jan 06 01:00:00 EST 2001). 2021年6月21日閲覧。
  3. ^ a b CAST & STAFF”. ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 〜汚れなき瞳〜 2020年3月上旬上演. 2021年6月21日閲覧。
  4. ^ 春馬×生田「ホイッスル・ダウン〜」ビジュアル、矢田悠祐らの出演も明らかに”. ステージナタリー. ナターシャ (2019年10月4日). 2021年9月1日閲覧。