ホウレンソウブタとは、2002年近畿大学生物理工学部教授の入谷明岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所教授の村田紀夫らのグループによって開発された新種のブタの名称である。

大型動物に植物遺伝子を入れ、狙い通りに働くことが確認された世界初の事例である。

概要 編集

ω6-desaturase (FAD2)[1]を生成する遺伝子は、ホウレンソウなど野菜には広く含まれているが、人間を含む哺乳類は、この遺伝子を持たない。

マウスによる基礎実験を経て、ホウレンソウの根から取り出した遺伝子をブタの受精卵に入れ、その受精卵を母ブタの子宮に戻して誕生したブタ6頭の脂肪組織を調べたところ、普通のブタよりも不飽和脂肪酸が20%多く含まれることが分かった。

さらに普通のブタと交配させ2、3代目まで計16頭が生まれたが、FAD2遺伝子が受け継がれていることが確認されている。遺伝子導入による異常などは表れていないという。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 不飽和脂肪酸オレイン酸を別の不飽和脂肪酸であるリノール酸に変える酵素

外部リンク 編集