ミカヅキゼニゴケLunularia cruciata)は、ゼニゴケ目苔類。本種のみでミカヅキゼニゴケ科ミカヅキゼニゴケ属を構成する。属名 (Lunalaria) 及び和名は、葉状体の上に三日月型の無性芽器をもつことに由来する。日本では昭和に入ってから帰化が確認され、服部新佐によってこの和名を与えられた[1]

ミカヅキゼニゴケ
ミカヅキゼニゴケ
分類
: 植物界 Plantae
: ゼニゴケ植物門 Marchantiophyta
: ゼニゴケ綱 Marchantiopsida
亜綱 : ゼニゴケ亜綱 Marchantiidae
: ゼニゴケ目 Marchantiales
: ミカヅキゼニゴケ科 Lunulariaceae
: ミカヅキゼニゴケ属 Lunularia
: ミカヅキゼニゴケ L. cruciata
学名
Lunularia cruciata
(L.) Dumortier1822
和名
ミカヅキゼニゴケ
英名
crescent-cup liverwort

ミカズキゼニゴケとも表記する。

分布 編集

原産地は地中海沿岸部であるが、移入などによって世界中に分布している。日本でも帰化植物である[2]ほか、オーストラリアでも庭園などに導入されていることが知られている[3]

特徴 編集

半日陰地の湿った土壌の上に生える[2]。葉状体は長さ7-8mmで、その先端に無性芽器をつける[2]。無性芽器の中にある無性芽は雨滴などで散布され、分布を広げる。生殖器官をつけることは稀で、日本に生育している個体は生殖器官を形成しないことが知られている[2]

脚注 編集

  1. ^ 服部新佐(1944)「日本産苔類研究 其二」 植物学雑誌, Vol.58 No.685 1-7
  2. ^ a b c d 井上浩『フィールド図鑑 コケ』(1986年、東海大学出版会)p.23
  3. ^ Schuster, Rudolf M. The Hepaticae and Anthocerotae of North America, volume VI, pages 80-91. (Chicago: Field Museum of Natural History, 1992). ISBN 0-914-86821-7.