ミズスマシ科(ミズスマシか、水澄まし、鼓豆虫)は、コウチュウ目(鞘翅目)にふくまれる甲虫の一群。水面をすばやく泳ぐ小型の水生昆虫で、水面での生活に特化した独特の体のつくりをしている。

ミズスマシ科 Gyrinidae
ミズスマシの一種 Gyrinus natator
分類
: 動物Animalia
: 節足動物Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : オサムシ亜目 Adephaga
(飽食亜目)
: ミズスマシ科 Gyrinidae
英名
Whirligig beetle
下位分類
本文参照

概要

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全世界で800種類ほどが知られる。成虫の体長はどれも数mm-20mmほどの小型の甲虫である。

日本では3属17種類ほどが知られるが、その中でも南西諸島に分布するオキナワオオミズスマシ Dineutus mellyi (Regimbart, 1882) は体長20mmに達し、世界最大級のミズスマシとされている。なお、九州以北での最大種は体長10mmほどのオオミズスマシ D. orientalis (Modeer, 1776) である。

成虫の体の上面は光沢のある黒色で、楕円形で腹背に扁平な体型である。触角は短く、6本の脚も全て体の下に隠せる。前脚は細長いが、中脚と後脚はごく短い。複眼は他の昆虫と同様2つだが、水中・水上とも見えるように、それぞれ背側・腹側に仕切られている。

成虫は淡水の水面を旋回しながらすばやく泳ぐ。同様に水面で生活する昆虫にアメンボがいるが、アメンボは6本の脚の先で立ち上がるように浮くのに対し、ミズスマシは水面に腹ばいに浮く。また、アメンボは幼虫も水面で生活するが、ミズスマシの幼虫は水中で生活する。

日中に活動する姿を見ることができるが、流水性のオナガミズスマシ類などは夜行性が強く、夜間にだけ水面に浮上して活動する。成虫は翅を使って飛ぶこともでき、他の水場から独立した水たまりなどにも姿を現す。食性は肉食性で、おもに水面に落下した他の昆虫や、水面で羽化したばかりの水生昆虫の成虫などを捕食する。

幼虫ゲンゴロウの幼虫を小さくしたような外見をしているが、腹部の両脇にが発達し、水面に浮上して空気呼吸する必要がない。幼虫も肉食性で、アカムシなど小型の水生生物を捕食しながら成長する。

分類

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オキナワオオミズスマシ(Dineutus mellyi)
 
日本産ミズスマシ(Gyrinus japonicus)
  • Heterogyrus
  • Macrogyrus
  • Metagyrinus
  • Orectochilus 属 - オナガミズスマシなど
  • Orectogyrus
  • Porrorhynchus
  • Spanglerogyrus

関連項目

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