モーゲージプランナー(英:mortgage planner)は、金融機関消費者との仲介者として消費者に住宅ローンに関する助言を行う職能である。英語の"mortgage"には、抵当と住宅ローンとの2つの意味があるが、この場合の「モーゲージ」は後者の意味で用いられている。日本に数多くある民間資格の中の1つで、国家資格ではない。

概要 編集

モーゲージプランナーは、消費者の立場に立ち、中立公正に住宅ローンをコンサルティングする民間資格である。債務者となる消費者のライフプランキャッシュ・フロー分析などを考慮し、長期にわたり無理なく返済ができること(消費者保護)を目的としている。また、住宅ローンビジネスを行う独立系ファイナンシャル・プランナー保険代理店税理士司法書士行政書士等、住宅ローンに関わる様々な業種の関連資格として位置づけられている。また、養成講座・認定試験は特定非営利活動法人(NPO法人)日本モーゲージプランナーズ協会によって企画・運営されている。

ファイナンシャル・プランニング技能士フィナンシャル・プランナー住宅ローンアドバイザーと比較される場合が多い。

米国におけるモーゲージプランナー 編集

この職能は主としてアメリカ合衆国で発達したもので、米国では民間団体であるNational Association of Mortgage Professionals (NAMP)が認定する「認定モーゲージプランナー」(certified mortgage planner)資格がある[1]

日本におけるモーゲージプランナー 編集

日本におけるモーゲージプランナーの概要 編集

日本においては、2006年中央大学の産学共同機関である研究開発機構においてシニア・モーゲージプランナーの養成研修が行われていた[2]。現在では、モーゲージプランナーに類する民間資格として、一般社団法人金融検定協会[3]一般財団法人住宅金融普及協会[4]、社団法人全日本不動産協会[5]がそれぞれ認定する「住宅ローンアドバイザー」、特定非営利活動法人(NPO法人)日本モーゲージプランナーズ協会[6]が認定する「モーゲージプランナー」、一般社団法日本住宅ローン診断士協会[7]が認定する「住宅ローン診断士」等がある。

日本におけるモーゲージプランナーによる斡旋の法的問題 編集

銀行や商品を特定して住宅ローンに関する斡旋を行なうことは、貸金業のうちの金銭の貸借の媒介に当たるため、上記の民間資格を有している者であっても、貸金業の登録なく当該行為を行った場合には、貸金業法に違反する可能性が高いとされる[8]。 この点について、日本モーゲージプランナーズ協会では、貸金業の登録を行っている株式会社日本モーゲージプランナー支援センターと提携することにより、「モーゲージプランナー」資格者に斡旋業務を行わせていたが、日本モーゲージプランナー支援センターは2011年までに貸金業登録を廃止しており[9]、両者の契約は2012年3月31日に終了している。尚、NPO法人日本モーゲージプランナーズ協会では、平成25年4月モーゲージバンクとの提携により、『住宅支援機構『フラット35』』の取次業務を開始した。[10]

また、住宅ローンの借り換え斡旋に関しては「債務整理」に該当し弁護士(一定の金額以下なら司法書士を含む)の独占業務にあたるとの法的解釈もあり、モーゲージプランナーは各種法律を勘案した上で、顧客のため最良の行動する能力が求められる。

資格取得後の称号 編集

日本モーゲージプランナーズ協会は、認定する『モーゲージプランナー』に以下の称号を設けている。

  • MP(モーゲージプランナー)
  • CMP(サーティファイド・モーゲージプランナー) - MPの上級資格
  • ACMP(アパートメント・サーティファイド・モーゲージプランナー) - アパート取次の資格

脚注 編集

関連項目 編集