ヤリーロ:Jarilo/Yarilo、ロシア語:Ярило)とは、スラヴ神話に登場するの1柱。ヤリーラ[1] (Yarila[1])、イアリロ (Iarilo)、ゲロヴィト (Gerovit) などとも呼ばれる。植物、肥沃、を司る神であり、戦争収穫の神ともされる。男性神[要出典]

概要 編集

ヤリーロは「愛欲」を象徴する神である[2]。その名前の起源はギリシア神話の神「エロース」にあると推定されている[2]が、「荒れ狂う」「熱情的」という意味の単語「ヤールィ」に由来しているとの説もある[要出典]。西スラヴ(バルト海沿岸地方)で崇拝されていた神ヤロヴィトと同一起源だと考えられている[3]

白ロシアに19世紀中頃に残っていた民間伝説によると、ヤリーロは若者の姿の神であり、白馬に跨り、白い外套(マント)を纏って、左手に麦の穂を、右手に人間の頭を持って現れるという。4月27日はヤリーロの儀礼が行われる日であった[4]。ヤリーロはセルビアでも、春と豊穣の神として知られていた[5]

異教が信仰されていた時代から崇拝されていて、異教が衰微した後もその崇拝は止むことがなく、ギリシャ正教によって弾圧が行われた事もあった[要出典]

ヤリーロの祭礼は、春の最初の種蒔きの時期に開催される。村の若い娘達を集め、その中で最も美しい娘に花冠をかぶせ、白馬に乗せ、ヤリーロさながらの格好をさせ、その周囲で他の娘達が踊って輪を形成する。彼女達も同様に花冠を頭に飾っている。踊りの輪は「ホロヴォージェ」と呼ばれ、ギリシャ語で歌舞を意味する「コロス」という単語に由来する[要出典]。また、東スラヴでは夏にヤリーロの「葬式」が行われた[6]

出典 編集

  1. ^ a b 坂内徳明「スラヴ神話」『新版 ロシアを知る事典』川端香男里他監修、平凡社、2004年1月、400-401頁。ISBN 978-4-582-12635-8 
  2. ^ a b 清水 1995, p. 49.
  3. ^ 中堀 2013, p. 549.
  4. ^ 伊東 2002, pp. 54-55.
  5. ^ 伊東 2002, p. 54.
  6. ^ 伊東 2002, p. 55.

参考文献 編集

関連項目 編集