ラグビーの用具(ラグビーのようぐ : Rugby union equipment)は本来、ラグビーユニオンのユニフォーム(キット)とボールを指す。キットはラグビージャージーとショーツ(Rugby_shorts)、ラグビーソックス(Rugby_socks)、鋲(Cleat)を打った短靴を組み合わせた。道具としてラグビーボールを揃えると用具が整う。

トップのクラブ・国のストライプの図解(「有名なラグビージャージ」1920年代初頭の少年誌より)
スクラムキャップ(ジーン・フェアバンクス

頭、肩、鎖骨周囲に「適度なパディング」(Scrum_cap)が認められ、ワールドラグビー標準を満たすには薄くて軽く、押せば凹み力を緩めると復元することが求められる[1]脳震盪防止と歯が欠けないように、マウスピースの着用が認められる。

楕円球

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ラグビーで使うボールは楕円球で円球ではない。かつては茶色の牛革で縫い、現代版は合成皮革の防水素材で、製品にはさまざまな色とパターンがある。

シューズ

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カットのシューズを履いてプレーした時代(1938年)
 
フロリアン・フリッツ(左)のタックルを受けるマット・ギタウ(右)
 
ラグビーシューズのスパイク(6本)

ラグビーシューズは当初、足首の上まで覆うハイカットシューズであった。長年の間に一般的ではなくなり、多くの競技者は足首のすぐ下まで保護する「ミッドカット」を履いている[2]。スポーツの特質に配慮し物理的接触の量を考えると、足首のサポートは適切と見なされてきた。高めのカットには、ノック(ぶつかり)に対して、ある程度の衝撃吸収性が期待された。

現代のラグビー用シューズはむしろサッカーシューズ(Football_boot)との共通点が前面に出ており[3]、足首のサポートが少ないローカットで軽量化と柔軟性が実現している[注釈 1]

安全上の考慮、特にスクラムでは着脱式のスパイクシューズの着用と改良[7]が不可欠である。底鋲(スパイク)の素材はアルミニウムまたは合成樹脂で、ワールドラグビーのレギュレーション12が定める許容寸法と材料の硬度を守る必要がある[1]。バックスの選手には方向転換で適切なグリップを確保できるよう、スパイクシューズ[3]が推奨される。

競技者は全員、試合前にレフリーからスパイクに鋭いエッジがないかどうか点検を受ける。レギュレーションと試合前の点検は、スパイクが競技者の肌に触れて裂傷を負わせるリスク[9]を排除するためである[12]。金属製の固定具が摩耗したスパイクは、ゲーム参加前に交換しなければならない。

一般的なスパイクのパターンは8本または6本の2種類ある。8本はスクラムモールのグリップに備えてタイトフォワードプロップフッカー2列目)が最も着用する。6本は敏捷性とフィールド内での素早い動きを叶え、バックス(ハーフバックフルバック)が用い、サッカーで一般的なプラスチック製の「ブレード型」もますます選ばれる傾向にある[3]

ゴールポスト

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ラグビーでは競技場の両端にH字型のゴールポストを立てる。左右の支柱の間隔は高さ5.6メートル(18フィート)、水平のクロスバーの地面からの高さは3メートル(9.8フィート)である。

トレーニング機器

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スクラムマシンを使った練習
 
スクラムマシン。ローラー状のおもりが見える。

ラグビーのトレーニングには、次のような特殊な機器を使う。

タックルバッグ

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ラグビーのトレーニングとウォームアップに用いる道具。パッド入りの装置で、ラインを組む相手がいなくても単独練習ができる。2種類の形態があり、「ラッキングシールド」と「タックルバッグ」のうち、前者はコーチまたは仲間の競技者が手で支え、タックル役がぶつかってくる衝撃を吸収する。後者のタックルバッグを地面に立てて他の人が軽く支えると、タックラーはフルタックルを練習できる。

スクラムマシン

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パッド入りで錘(おもり)を取り付けた装置であり、ラグビーのフォワード数名がスクラムとラッキングの練習に使う。体力と技術の向上を目指せる。

脚注

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注釈

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  1. ^ ラグビーシューズが足部や足関節の傷害を防げるか[4]、足関節の捻挫とシューズ摩耗との相関関係に着目[5]した知見がある。また素材と集団スポーツの特性による白癬という皮膚病(Trichophyton tonsurans 感染症)と高校ラグビー部の集団検診[6]に着目された。

出典

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  1. ^ a b "REGULATION 12. PROVISIONS RELATING TO PLAYERS’ DRESS", IRB
  2. ^ Rugby Boots For Forwards”. 11 July 2011閲覧。
  3. ^ a b c 実はサッカースパイク着用選手が半数以上!ラグビー日本代表メンバー全31人の着用スパイクリスト”. ゲキサカ. 2021年12月6日閲覧。 “(前略)フォワードとバックスごとに着用スパイクをみていくと、フォワード18人中10人がラグビースパイクを着用。(中略)一方のバックスは13人中8人がサッカースパイクを着用。(ラグビー日本代表全31人の着用スパイクを集計、2019年9月27日時点ゲキサカ調べ)”
  4. ^ 笠次、田中、中山、高倉、石指 2004, pp. 76–81.
  5. ^ 笠次、田中、杉本、高倉 2006, pp. 32–36.
  6. ^ 篠田、関山 2006, pp. 648–651.
  7. ^ アディダス、神戸にシューズ開発施設 東京五輪・ラグビーW杯に向け - 産経ニュース”. www.sankei.com. 2021年12月6日閲覧。
  8. ^ 亀山、横江、井戸田 2001, pp. 68–73.
  9. ^ スパイクシューズによる障害[8]の研究がある。
  10. ^ 外山、錦谷、森下、他 1986, pp. 51–54.
  11. ^ 内田 2010, pp. 203–210.
  12. ^ 高校ラグビーの試合[10]ならびに部活における重傷事故[11]の事例研究がある。

参考文献

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本文の典拠、主な執筆者名の順。

  • 内田 良「体育的部活動時における死亡・負傷事故件数の二次分析試論--「集計」から「分析」へ」『愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要』第13号、愛知教育大学実践総合センター、2010年2月、203-210頁、ISSN 1344-2597NAID 120001907027 
  • 笠次 良爾、田中 康仁、中山 正一郎、高倉 義典、石指 宏通「ラグビーシューズと足部・足関節傷害」『靴の医学』第17巻第2号、2004年6月1日、76-81頁、ISSN 0915-5015NAID 10015755405 
  • 笠次 良爾、田中 康仁、杉本 和也、高倉 義典「ラグビー選手における足関節捻挫とシューズ摩耗との関連」『靴の医学』第19巻第2号、2006年3月1日、32-36頁、ISSN 0915-5015NAID 10020436847 
  • 亀山 泰、横江 清司、井戸田 仁「スパイクシューズによる障害について」『靴の医学』第14巻第2号、2001年9月1日、68-73頁、ISSN 0915-5015NAID 10013024309 
  • 篠田 英和、関山 華子「ラグビー選手にみられた Trichophyton tonsurans 感染症の1例—某高校ラグビー部の集団検診も含めて—」『西日本皮膚科』第68巻第6号、日本皮膚科学会西部支部、2006年、648-651頁、doi:10.2336/nishinihonhifu.68.648ISSN 0386-9784NAID 130004475142 
  • 外山幸正、錦谷 勝博、森下 亨、他「全国高等学校ラグビーフットボール大会における負傷状況について」『整形外科スポーツ医学会誌』第5巻、1986年7月、51-54頁、ISSN 0289-453XNAID 500023486792021年12月6日閲覧 

外部リンク

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関連項目

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