リソグラフMZ1070

リソグラフ (RISOGRAPH) は、理想科学工業が1980年(昭和55年)から販売している事務用孔版印刷シルクスクリーン印刷)機である。

概要編集

理想科学工業が事務用として開発したシルクスクリーン印刷機である。謄写版では版である原紙と、印刷時における版の保持材であるスクリーンが分かれているが、リソグラフは同じ孔版印刷であるシルクスクリーン印刷と同様に両者を「マスター」として一体化[1]。これをドラムに巻きつけて印刷し、マスターは印刷後そのまま破棄する[1]PPC複写機感覚で操作でき、製版から印刷まで高速・低コストで行える。コピー機と比べた場合、印刷部数が数十枚以上の場合にはリソグラフを使用したほうが時間・コストともに有利とされる[1]

謄写版用のインクメーカーとして創業した理想科学工業は1960年代、謄写器「RISOグラフ」や謄写版用感熱製版機「RISOファックス」、RISOファックス用謄写版原紙「RISOマスター」を製造販売していたが[2]、同年代末に陥った経営危機を打開しようと、製版と印刷の工程を同じ機構に収めることを主眼に家庭用の「プリントゴッコ」(1977年発売開始)とともに開発したものである[2]

事務用として1980年6月、印刷機と製版機が分かれた「リソグラフAP7200・FX7200」として発売を開始[3]1984年8月には当初の構想通りに印刷・製版を一体化した自動印刷機「リソグラフ007」を発売した[3]。さらに1986年8月にはデジタル技術を導入した「リソグラフ007デジタル」を発売し[3]、PPC複写機並みの操作性を実現した。のちには2色同時印刷や、複合機と同様にパソコンからの直接出力も可能になった。

PPC複写機普及に伴う謄写版衰退後の事務用デジタル孔版印刷機は、同じく日本メーカーで製版印刷一体型[4]の「デュープリンターDP-3050」を1987年に発売した[5]デュプロ(旧・デュプロ精工)の「デュープリンター[5]と世界市場を二分している。両社とも専用インクやマスターの供給体制を世界的に構築しており、特に「RISO」は、謄写版衰退後の孔版軽印刷を指す世界的な代名詞となっている。

脚注編集

  1. ^ a b c 「リソグラフを知る」『製品情報・デジタル印刷機 リソグラフ』理想科学工業株式会社
  2. ^ a b 「サイドストーリー」『企業情報・あゆみ』理想科学工業株式会社
  3. ^ a b c 「昭和50~60年代(1975年~) - ペーパーコミュニケーションのシステムを開発・提案 孔版印刷の総合メーカーへ躍進」『企業情報・あゆみ』理想科学工業株式会社
  4. ^ 「デュープリンター」デュプロ精工株式会社
  5. ^ a b 「技術沿革 開発と製造の歩み」デュプロ精工株式会社

関連項目編集

外部リンク編集